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「ポケモンGO」とIngressを両方プレイして分かったこと

ITmedia Mobile 7月31日(日)6時10分配信

 日本でも多くのユーザーが楽しんでいる「ポケモンGO」を開発する米ナイアンティックは、同じく位置情報ゲームである「Ingress」を世に送り出した。両ゲームの共通点は多い。Ingressユーザーである筆者が両ゲームをプレイして気付いた点をまとめてみた。

【夜中にポケモンGOをする子供たち】

●「ポケモンGO」とIngressの共通点

 開発会社が共通していることもあり、ゲームの特性上、IngressとポケモンGOには共通点が多い。ざっと見ただけでも、以下のようなものがある。

・外に出かけることでゲームができる
・指定されたスポットを巡ってアイテムを収集する
・歩いた距離に応じてなんらかの報酬がある(メダルの獲得や卵のふ化など)
・プレイヤーのまわりに表示される円の中に入ることでアクションできる
・チーム戦がある
・現場に足を運ぶことで、ゲームのプレイヤー同士が知り合える機会がある
・地域に人を呼ぶきっかけづくりがしやすい
・よく歩くようになるため、健康上の問題が改善されたという報告がある

 しかし、その一方で歩きスマホになりやすいといった問題点も共通する。兄貴分のIngressで起こったトラブルについては過去の座談会を参照していただきたいが、「Ingressやってる奴らは」と冷笑していた方々、そしてそのご家族にも、同じような問題が起こる可能性が生じているのだ。

●相次ぐトラブルに政府が動く異例事態

 先にリリースされた海外では、すでに多くのトラブルが起きている。ポケモンを追いかけて原子力発電所の敷地内に侵入、崖から転落、池に転落、ゲーム内に置かれたビーコン(ルアーモジュール)におびき寄せられたプレイヤーが銃をつきつけられ強盗される、車道に飛び出して事故に遭う、プレイしながら車を運転し、停車中の警察車両に追突する、プレイ中の男性に近づいて刺される、高速道路内に進入して警察に保護されるなど、日本で紹介されているものだけでもすでにこれだけある。神聖な場所や地雷原への進入も心配されている。

 それらの報道を受けて、日本では内閣サイバーセキュリティセンターが事前に注意喚起を行うという異例事態となった。

 幸い、まだ国内では死者が出たという報道はないが、すでにながら運転で検挙される、敷地内の不法侵入で警察を呼ばれるといったことは起きている。ポケモンを追って車道に飛び出してきた子供らに急ブレーキをかけた、ひったくりに遭ったという話もある。

 他にも、多くの偽アプリが出回っており、端末乗っ取りや広告表示のただ乗りや、攻略ツールや攻略アプリからの詐欺サイト誘導が心配されているほか、レアキャラが出たというデマで公園に人が殺到した事例などもある。新宿御苑はピカチュウが出現することもあり、やはり週末に人が殺到したそうだ。

 神社や公共の施設で注意の張り紙が貼られる程度で、大きな事故が起きていないのが幸いだが、ちょっとしたデマで大きな混乱が起きる可能性があるため、何か起きてもおかしくはない状態である。

●画面外にも注意を向けよう

 筆者もプレイしてみたが、誰もかれもがやっているので、Ingressよりもすぐに集団化しやすい点が気になった。ルアーモジュールが使われると、途端に人が集まり出すので、場所によっては通行の邪魔になりやすい。

 プレイ中はスマートフォンに意識が集中しているので全くまわりが見えておらず、完全に油断している点も共通している。集団化しやすいことで、みんなもやっているという油断を誘発しやすいようにも感じられた。特に海外ではスリをはじめとした犯罪のターゲットになりやすいので注意が必要だ。

●時間の概念がなくなりやすい

 Ingressをプレイし始めた頃、徒歩10分のスーパーに行くのに2時間かかったことがある。次のポータル、次のポータルと移動しているうちに、せっかくだからあそこもと思い、時間の感覚がなくなってしまうのだ。

 しかも止め時が分からなかった。ポータルを取られると、取り返したくなる。行く先が敵陣の色に染まっていると染め直したくなる。結局いつまでも終わらないのである。

 今でこそ「今日はアイスクリーム買ったから」「早く対応したほうがいい仕事があるから」「疲れてるから」とスキャナ(Ingressのゲーム画面)をそっと閉じ、真っ直ぐ帰ることができるが、始めたばかりの頃は3時間、4時間と平気で歩き続けてしまったものだ。ここはどこだ? ということもあった。

 ポケモンGOも、少しでも早くレベルを上げたい、早く図鑑をコンプリートしてみんなにレアポケモンを自慢したいなどの理由から、スマートフォンが振動すると反射的に捕まえにいってしまうといったことが起こるだろう。レアポケモンが出たとなれば、昼夜を問わず自分も駆けつけたくなるはずだ。

 すでに真夜中でも、あちこちのジムでバトルが展開されている。ジムに掲載されるトレーナー名は、それまで見たことがないものばかりで、なじみのあるエリアのエージェントではないことが分かる。海外のトレーナーが位置偽装でオーナーになっているという話もあるが(不自然に経験値の高いトレーナーがいることも多い)、行ってみるとIngressのエージェントとは明らかに違う若い男性が、自転車で止まっていることがあった。

 深夜にうろつくのはエージェント特有の活動だと思っていたが、もはやそれは過去のものとなったようだ。ゲームは自制心との戦いだが、ポケモンGOは特に外出を必要とするため、子供の場合は特に注意が必要だと思われる。

●必要なのは、相談窓口と自衛意識

 Ingressの場合、不審者と言われるくらいその行動は怪しく、かつマイナーな存在であったがゆえに、逆に防犯面や地域の活性化に貢献しようと考えるエージェントもいたほどだ。意識高い系などとやゆされることもあるが、技術系のユーザーが多いこと、年配者が多いことなどもあって、その経験と意識、およびコミュニティーの存在が、後輩の指導や秩序の維持につながっているところは少なからずあると思う。トラブルが発生したとき、コミュニティーに所属していれば、各エリアのモデレーターと呼ばれる相談役(ボランティア)に話を聞いてもらえるというメリットもある。

 しかし、ポケモンGOはまだ始まったばかり。IngressではおなじみのSNS「Google+(グーグルプラス)」にはジムのチーム用に任意コミュニティーが立ち上がり始めているが、プレイヤー層の広さやSNSの知名度を考えると、とてもカバーできないだろう。

 ルアーモジュールに吸い寄せられているのは、むしろ人間の方である。何度も顔を合わせていれば、その格好などから近所に住んでいることがバレやすい。先日も非常にラフな格好で出てきた女性を見かけたばかり。すぐそばのマンションに住んでいることが丸わかりだ。

 となると、個人のいざこざがより起こりやすくなることが予想される。しかし、Ingressの例を取ってみれば、たとえ警察が来る事態になっても「ゲーム上のこと。いやならやめてはどうか?」と言われるのは目に見えている。各自が自衛の意識を持つことも大事である。

●見慣れた街の新たな一面を見つける旅へ!

 負の面ばかり強調してしまったが、Ingressで経験したプラス面も、そのままポケモンGOで体験できるはずだ。

 ポケストップを巡っている間に、ポケモン以外のものも発見するだろう。それまで知らなかった場所、おいしい料理を出す店、居心地のいい場所なども多数見つかるはずだ。たくさん歩くので、ご飯もおいしくなる。

 ポケストップでは、新しい友達ができるかもしれない。筆者もIngressを通じて、それまで近くにいたのにまったく会う機会のなかった人と知り合うことができた。出身地でもないのに、住んでいる場所に友達がたくさんできるというのは学生時代以来である。友達が増えれば情報交換も活発になり、生活が楽しくなる。

 すでに多くのカップルを見かけているが、散歩に出かけるきっかけになることは間違いない。Ingressではゲームをきっかけに付き合い始め、ゴールインしたというカップルもいる。20代30代を多く含むポケモン世代なら、その可能性はさらに高まるのではないだろうか。

 ゲームのイベントでは、チームを通して学ぶことは本当に多い。ポケモンGOでも今後何かしらイベントは行われるだろうから、仕事とは別に、自分が能動的に動ける新しい役割を知ることになるかもしれない。

 今はブームかもしれないが、いつかポケモンを探しに外に出ることが、生活の一部になる日も来るだろう。トラブルなく楽しむためにも、ポケモンGOトレーナーガイドラインやポケモンGOサービス利用規約、そしてサポートページに目を通しておこう。

最終更新:7月31日(日)6時10分

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