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240Z、R32 GT-R、RX-7を守れ!「自動車文化を考える議員連盟」は自動車税制を変革するか

ZUU online 7月31日(日)10時10分配信

古いクルマを「大切にする心」が自動車文化を育てる。古屋圭司衆議院議員が会長を務める「自動車文化を考える議員連盟」は、歴史的・文化的に価値のあるノスタルジックカーの保存や自動車文化の振興に寄与する方策を幅広く考えるために設立された。5月25日には、永田町の自由民主党本部で経年車に課せられる重課措置に焦点が当てられ、多くの提案や意見が交わされたが、日本の自動車税制の問題点とはどのようなものなのだろうか。ここであらためて整理してみたい。

■「旧車イジメ」ともいえる日本の複雑な自動車税

日本は自動車を保有すると、税負担が重い国である。日本自動車工業会の調べによれば車体課税は概算で英国の2.4倍、ドイツの3倍、フランスの16倍、アメリカの49倍にもなる。

総額の多さだけではなく、日本は税の種類が複雑である。取得・保有時には自動車取得税、車両の消費税、自動車重量税、自動車税、走行時には揮発油税、地方揮発油税、ガソリンの消費税がかかる。

そして、問題なのが二重課税だ。購入時の「自動車取得税と消費税」と保有時の「自動車重量税と自動車税・軽自動車税」のほか、給油するたびに支払っているガソリン税には消費税がかけられるなど、税に税がかけられるタックス・オン・タックスとなっている。

さらに、旧車乗りへの負担となるのが「自動車税のグリーン化特例」である。ハイブリッド車や電気自動車を新規購入した場合は、50~75%の軽減税率となるが、一方でガソリン車で13年、ディーゼル車で11年を超える車両は、おおむね15%の重課となる。スカイラインGTR、シルビア、RX-7、240Zなどの旧車も全て対象だ。さらに軽自動車に至っては、13年を超える車両におおむね20%の重課となる。

まるで親の仇のように旧車に厳しい「日本の自動車税制」。なぜ、こんなに旧車に厳しく当たるのだろうか。

■ノスタルジックカーの文化的・歴史的価値を軽視している?

日本の自動車税制が旧車に厳しいのは、政府が古いクルマを潰して、新車に買い換えてほしいと願っているからだ。「スクラップ・インセンティブ」をつけるので、環境に良い新車に買い換えろ、ということである。それによって自動車産業を取り巻く経済も活性化するという見方だ。

対して「自動車文化を考える議員連盟」の主張は、次のようなものだ。「たしかに、ノスタルジックカーは『経年車』であり、数値上の環境性能は良くないかもしれない。しかし、実際にはノスタルジックカーは移動・輸送の手段としてほとんど運転されることはなく、その意味で実質的に環境負荷は軽微である」「自動車登録からの経年数や型式による環境性能課税を機械的に貫いて、このような自動車にまで重税を課すことは、ノスタルジックカーの持つ文化的・歴史的価値を軽視するものである」「古い物を大切にする心を持ちつつ、我が国の自動車産業の歴史に敬意を払うためにも、我が国の自動車文化を再考し、振興することが必要である」

■問題への取り組みは、まだ始まったばかり

筆者は「文化的・歴史的価値を軽視する」との主張には少なからず違和感を覚える。価値観というのは主観的なものであり、そこは議論のテーブルに乗せるべきではないだろう。

あくまで、環境を守るという意味においての効率性の視点で主張すべきと考える。実際問題として、廃棄物を出さずに乗り続けていることへの評価がなく、旧車をまるで排ガスを撒き散らす「犯罪車」扱いする税率に腹立たしい思いだ。

税金を少しでも徴収したいというエリート官僚の気持ちは良く分かるが、だからといって古いクルマというだけで重課を施すやり方が果たして効率的と言えるのだろうか。納得のいかない課税を行って反発を招くより、もっとシンプルな課税方式にして、クルマの維持費を安くし、販売台数を増やし、買い替えを促進させる方が、効率的ではないか。

その意味で、公的な立場から「自動車文化を考える議員連盟」が設立された意義は大きい。問題への取り組みは、まだ始まったばかりであるが、日本でもこのような主張がなされたことに敬意を評したい。(モータージャーナリスト 高橋大介)

最終更新:7月31日(日)10時10分

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