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「ポケモンGO」ヒットが意味するスマホゲームの変化 マーケティング視点で分析

ZUU online 7/31(日) 11:40配信

世界中で、スマホゲーム史上最大と言えそうな規模でヒットしている「ポケモンGO」。このAR(拡張現実)や位置情報の技術を使ったポケモンGOの成功は、これからのスマホゲームを使ったビジネスやマーケティングの可能性を広げる格好のテストケースといえる。

■位置情報を活用したマーケティング

ポケモンGOの特徴である位置情報を活用したマーケティングとしてまず挙げられるのが、ゲームの公式スポットの広告・プロモーション利用だ。

先行してリリースされた米国では既に、各地の教会やバー、店舗などがポケモンGOの公式スポットに指定され、場所によっては百名以上のユーザーが集まる状況になっているという。

バーやカフェなどの店舗がユーザーにドリンクを割引価格で提供するといったプロモーションも始められている。しかし現在公式スポットに指定されているのは、アプリの公開前に運営元のNiantic(ナイアンティック)が選定した店舗や、各地の公園などの公共スポットに限られている。

一方でNianticのジョン・ハンケCEOはニューヨーク・タイムズの取材に応え、近い将来、スポンサード・ロケーション(企業からスポンサー料を受け取るスポット)の詳細なプログラムについて発表すると述べた。

既に報じられている通り、まずはマクドナルドが大口のスポンサーとして店舗を公式スポットとし、店舗へのトラフィック(集客)の向上に利用し始めている。

■中・小規模ビジネスが参加できる可能性

スポンサード・ロケーションはまずは高額(であろう)なスポンサー料を支払える大手企業の参加からセールスをかけるものと思われる。

しかし大手企業に限らず、今後は中・小規模の企業や店舗を公式スポット化できる可能性を秘めている。大手企業のように高額のスポンサー料を支払えなくても、地域や期間、時間、またはその日の天気までもを限定することで低価格でのプログラムを提供し、中・小規模企業や店舗でも参加しやすい特別メニューを用意することが考えられる。

これはGoogleの「広く浅く」という広告収益モデルに似ている。低いスポンサー料で中・小規模の幅広い企業や店舗が参加できると、ポケモンGOにとってはユニークな公式スポットをより多く設定することでユーザー数や接触頻度・時間を増加でき、一方で参加企業や店舗は独自の集客やプロモーションの施策をうつことが可能になる。

またネット広告のように、スポンサード料をそのポイントでの集客数や滞在時間によって変化させるようなメニューも考えられるだろう。

■驚異的な接触時間

Similar Webが発表したアンドロイド・ユーザーの1日あたり平均アプリ利用時間は、ポケモンGOでは43分23秒。これはWhatsapp(30分27秒)やInstagram(25分16秒)、Snapchat(22分53秒)、Facebookのメッセンジャー(12分44秒)を大きく引き離す、圧倒的な利用時間の長さだ。

このポケモンGOの利用時間の長さも、今後のマーケティング上の大きなアドバンテージになる。

例えば広告媒体と捉えた場合、この利用時間は大変に重要な要素になる。利用時間が長いほど広告メッセージやプロモーションに接触する機会が増えることになるからだ。ただしゲームの面白さや世界観を損なわないことが前提なので、広告媒体化するにはその点の注意が必要だろう。

■ARや位置情報の技術をキラーコンテンツで一般化

ポケモンGOで使われているAR(拡張現実)や位置情報は最先端の技術ではなく、それらを使ったゲームは特段新しいものでも珍しいものでもなく、これまでにもそれらの技術をエッジにしたゲームはポケモンGO以前にも数多く存在していた。

しかしそれらは広いユーザーに受け入れられたとは言い難く、ゲームのユーザー層は一部に限られていた。

ポケモンGOの最大の功績は、このようなARや位置情報の技術の特徴を一般に浸透させたことだ。ポケモンGOのような一般的なユーザーにとっては、使われている技術には興味がないだろう。

しかしゲームの楽しみ方はこれらの技術なくしては成立しない。このように新たな技術を特別意識させることなく、ごく自然に新しい技術に触れさせることに成功している。それによって今後はARや位置情報といった技術を使ったゲームやアプリへの心理的なハードルは下がり、新たな関心を高めやすくなるだろう。

■テクノロジー・ドリブンからコンテンツ・ドリブンへ

ポケモンGOがヒットした理由は、ARや位置情報の技術を使っているからではない。今までのケータイアプリの大半は新しい技術をどう使うかに重点が置かれていたが、それらの技術の特徴を、「ポケモン」というキラーコンテンツの世界を表現することに使ったことこそがヒットの理由だ。

ポケモンGOの成功によって、スマホゲームは今までのテクノロジー・ドリブンからコンテンツ・ドリブンの時代に移ったといえるだろう。

今後より幅広い利用者を参加させて深く、長時間の利用を促すためにはコンテンツ・ドリブンでの発想が必須と考えられる。(ZUU online編集部)

最終更新:7/31(日) 11:40

ZUU online

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