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肉のうま味“ギュッ” 夏こそジビエ! 外食 周年で集客狙う

日本農業新聞 7月31日(日)7時0分配信

 「夏こそジビエ!」をキャッチフレーズに、夏場に鹿肉やイノシシ肉を使った料理を売り込む外食店が相次いでいる。栄養価の高い青草を食べて育つ夏の鹿は、肉のうま味が凝縮しているのが売りだ。イノシシは、脂分が落ち、さっぱりとした味を楽しめる。ジビエ(野生の鳥獣肉)は、狩猟期間の秋冬のイメージが強いだけに、周年で客を引き付けようと、夏ならではの魅力をアピールする。

 京都府中丹地域では現在、「京都丹波ジビエフェア」を展開している。8月21日まで福知山市、舞鶴市、綾部市にある和食店、フランス料理店、農家民宿など計20店舗がフェアに参加し、盛り上げている。

 京都府中丹広域振興局と、管内の飲食店などでつくる京都中丹ジビエ街道づくり推進協議会が主催する。フェアを過去2回、冬場に開いたが、来場者から「夏に開いてほしい」との声が多かったため、初めて企画した。

 3市で夏にとれた鹿肉を使った「丹波鹿薄焼きハンバーグ」「鹿ケバブ」「鹿そば」など多彩なメニューを提供する。同振興局は「春夏に野山を駆け回った鹿の肉は引き締まっている。年間を通じてさまざまな味わいがあることを知ってほしい」と売り込む。

 県が一体となって「夏ジビエ」をPRするのは長野県だ。松本市を中心に7月中旬から「信州、夏ジビエをたべよう」をキャッチフレーズに、11店舗が「夏野菜と鹿肉のサラダ」「美ヶ原産鹿のカルパッチョ風」など独自のジビエ料理を振る舞うイベントを実施。長野市でも25日から「ビールに合う夏ジビエ」をテーマに8店舗がイベントを仕掛けた。

 東京都内で「焼ジビエ 罠(わな)」などを運営する夢屋(渋谷区)は「布団売ってでも鹿を食え! 夏こそジビエ」と銘打ったフェアを展開。都内6店舗で飲食代が1割引きになるクーポン券を30日まで発行した。同社は「鹿肉は鉄分が豊富で、貧血など夏ばて対策にいい。ジビエが一年を通して食べられることを知ってほしい」(広報)と期待する。

 「夏鹿カレー」を売り出すのは、ジェイアール東日本フードビジネス(東京都北区)。ヘルシーな夏の鹿肉とトマトの味わいを生かしたのが特徴で、25日から8都県・47店舗の「ベックスコーヒーショップ」で販売している。併せて、夏に捕獲したイノシシ肉を具材に詰めたパン「猪肉のスパイシーピタポケット」をハンバーガーショップ「ベッカーズ」4都県・18店舗でも投入した。

 NPO法人・日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長は「夏の鹿肉がおいしい、というのはハンターの間では知られていた情報だった。有害鳥獣捕獲で年間通じて供給できるようになっており、夏ならではのジビエの魅力が楽しめる」と説明する。(川口知也)

日本農業新聞

最終更新:7月31日(日)13時15分

日本農業新聞