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5兆円市場へ動き出した化学各社。自動走行の関連部材を相次ぎ投入へ

日刊工業新聞電子版 7月31日(日)17時45分配信

高性能レンズ材料や半導体関連など

 化学大手各社は車の自動走行システム関連部材を相次いで投入する。旭化成は2016年度下期からミリ波レーダー用LSIの供給を開始。三井化学とカーリットホールディングス(HD)はそれぞれ車載カメラ向けの高性能レンズ材料を開発する。自動走行システムにはセンサーやカメラなど電子デバイスが不可欠。各社は製品投入で、10年後に5兆円規模とも言われる関連市場を開拓する。

 旭化成のミリ波レーダー用LSIは先進運転支援システムを搭載した一部車種に採用される見通し。スマートフォン向け電子デバイスなどの既存技術を基に、安全性などにより配慮して車載用途へ展開した。機器の音声操作などに用いるオーディオICや磁気センサー、電流センサーなどの採用拡大も目指す。

 三井化学は主に車載向けに現行比5度C高い150度C級の耐熱性を備えるカメラレンズ材料を16年度中にも開発する。車載カメラで主流のガラス製から樹脂製に置き換えを狙う。耐熱性は一般的にバックモニター向けなら80度C程度で十分だが、車前方へ搭載する場合はより高い耐熱性が求められる。センサー周辺も演算処理時に高熱を発するため耐熱性が必要となる。

 カーリットHDは夜間に人や障害物を感知する遠赤外線カメラ用レンズ材料の量産に乗り出す。17年度までに安価なシリコン材料を用いた製品を量産し、次いでガラス材料製を追加する。売上高で18年度に3億円、24年度に30億円を目指す。

 米ボストンコンサルティンググループによると、世界の自動運転市場規模(車本体を除く)は25年に420億ドル(約4兆5000億円)、35年に770億ドル(約8兆円)に拡大する見通しだ。

最終更新:7月31日(日)17時45分

日刊工業新聞電子版