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古民家がカフェに変身! 見直される空き家リノベーション

ZUU online 8/1(月) 6:10配信

■進まぬ空き家対策

「空き家対策特別措置法」が施行されてから1年が過ぎました。これは、住宅の所有者に対して物件の適正管理を義務付けたもので、管理が不十分な空き家の固定資産税を増額したり、その所有者に罰金を科したりと厳しい内容となっています。各自治体でも空き家対策が進められていて、所有者への勧告や命令、公表が行われているようです。しかし罰則や行政代執行(取り壊し)までいくことは少なく、未だに空き屋活用は進んでいないのが現状です。

2013年、全国の空き家数は約820万戸で、5年前から約63万戸(8.3%)も増えています。空き家率(総住宅数に占める割合)も13.5%と0.4ポイント上昇し、過去最高を記録しました(総務省統計局『平成25年住宅・土地統計調査』より)。空き家は防災や防犯面でのリスク増大や、景観の悪化をまねきます。その結果、地域の資産価値を下げ、人口流出や地域衰退の原因になってしまう危険性があります。空き屋問題はその家だけでなく、「まち全体」「不動産業界全体」の問題なのです。

■「壊す」「売る」「貸す」「直す」どれを選ぶ?

空き家問題の打開策には、「壊す」「売る」「貸す」「直す」という方法があります。空き家の状態や所有者の意向によって、どの方法を選ぶかは変わってきます。

● 「壊す」
国の「空き家再生等推進事業」により、自治体から解体費用の補助が受けられます。金額は自治体により異なりますが、30~100万円ほどです。ただし、建物を解体すると固定資産税の特例から外れますので、税額が最大6倍にもなることには注意が必要です。

● 「売る」 「貸す」
自治体が設置している「空き家バンク」が代表例です。空き物件の情報を自治体などのホームページ上で公開し、移住希望者を募集する仕組みのことです。この制度自体は20年以上前からありましたが、全国的に認知度が上がったのは最近のことです。「地方創生」「スローライフ」などをキーワードに、移住に対する結果、家を購入したい・借りたいというニーズが広がってきたといえるでしょう。

● 「直す(リノベーション)」
近年注目されつつあるのがこの活用法です。空き家を魅力的にみせるためには快適な住まいであることが大切です。そのために、修復はポイントとなるでしょう。その方法はさまざまで、不動産会社や建築事務所など物件を扱う業者によるリノベーションのほか、借り主が自分の負担で行う「DIY型」もあります。

■リノベーションによる古民家活用

自治体もリノベーションという活用法に注目しています。岐阜県各務原市では、地元の大学や金融機関と、DIY型を念頭に置いた「地方創生『空き家リノベーション事業』に係る連携協定」を締結し、市内の空き家活用に向けた借り主への資金援助などを約束しました。契約を結んだ借り主が自らの負担で空き家を自由に改装した後は、原状回復義務はありません。

自分自身でのリノベーションも関心が高まっています。東京都の職業訓練校「リフォーム科」では、住宅リフォームについて無料で学ぶことができます。6ヵ月かけて「天井・壁のクロス張り替え」「床フローリング及びカーペット張り替え」などの内装施工や、「配管の改修」「化粧台、キッチンの配線作業」といった設備の施工および施工管理を学びます。こうした技術があれば、外観を大きく変えず町並みを壊すこともありません。

実際に佐賀県佐賀市の古湯温泉では、築110年の古民家をリノベーションしてカフェも兼ねた図書館として営業するプロジェクトが進行中です。夜には1日1組限定で宿泊を受け入れ「泊まれる図書館」になるそうで、早くもネット上で話題となっています。

東京都内でも谷中や向島など下町の風情を残す地域で古いアパートや長屋をリノベーションして、若いアーティストの工房兼住宅としたり、共同出店・受託販売スペースとしたりする取り組みが進んでいます。築年数が古いため家賃が安く若い人が借りやすいという事情も相まって、地域の若返りが図られているそうです。

■見直される住宅の考え方

日本は2019年をピークに人口・世帯数とも徐々に減っていくとみられています。世帯が減って空き家が増えているにもかかわらず、住宅の数も増えているというアンバランスの背景には、日本人が「新築」を好みやすいという傾向があらわれています。

リノベーションの文化が根付くことは、「新しい=良い」という意識を変えることにもつながるかもしれません。「古いものを手入れしながら大切に使う」という方法にも目を向けてみてはいかがでしょうか。 (提供:nezas)

最終更新:8/1(月) 6:10

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