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3Dプリンタによる積層造形が可能な高耐熱性鋳型向け無機材料を開発

MONOist 8月1日(月)10時55分配信

 太平洋セメントは2016年6月23日、北海道立総合研究機構産業技術研究本部工業試験場(道総研工業試験場)の協力のもと、3Dプリンタによる積層造形が可能で、高耐熱性を備えた鋳型向け無機材料の開発に成功したと発表した。

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 道総研工業試験場では、3Dプリンタを用いた鋳型製造において、耐熱性に優れたセメント系材料の適用性が高いことを認識していた。しかし、溶湯温度が1200℃以上の金属の鋳造では、鋳型材料の成分に起因したガスの発生によるブローホール欠陥や、球状黒鉛鋳鉄における黒鉛球状化の阻害に伴う表層欠陥などの課題があった。

 太平洋セメントは、無機材料の特性や反応性に関する知見を応用し、3Dプリンタ造形に適した抗折強度の発現に成功。同時に、材料由来の不具合発生を抑制する無機粉末を開発した。この無機粉末を用いて、3Dプリンタで鋳型を作製し、約1600℃まで溶湯温度を高めた鋳鉄溶湯を鋳込んだところ、ガスによる欠陥を生じることなく、表面が滑らかな鋳物の製造に成功し、実用レベルにあることを実証した。

 今回開発した無機粉末と3Dプリンタを組み合わせることで、溶湯温度の高い金属鋳造用の鋳型や、複雑な形状の鋳型などへの利用が可能になるという。今後、サンプルを提供しながら、道総研工業試験場と共同で、無機粉末の性能向上と最適化を図り、早期の実用化を目指すとしている。

最終更新:8月1日(月)10時55分

MONOist