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発掘された幻のスター・ウォーズゲームから開発を続けていた『Galaxy in Turmoil』が、ルーカスフィルムの警告によりSW要素を削ることに

ファミ通.com 8月1日(月)14時21分配信

文:編集部 ミル☆吉村

●依然として完全無料ゲームとして配信予定
 以前本誌でもご紹介したFrontwire Studiosの『Galaxy in Turmoil』は、開発キットから発掘された『スター・ウォーズ バトルフロント3』になる予定だった開発中止作品を、ファンの手によって完成させようというプロジェクト。非営利の二次創作ということでSteamでの配信権がValveから公式に与えられ、大きな話題となった。

 しかし本日公式サイトに新たな声明文が公開され、残念ながら本作からスター・ウォーズ要素を削ることが発表に。開発自体は継続し、完成までの費用については後日デモを用意した上でクラウドファンディングを実施するという。

●独占契約との衝突
 公式サイトの記事ではその経緯が説明されており、その発端は6月22日に「スター・ウォーズ」の権利元であるルーカスフィルムから開発中止を求める連絡が入ったこと。しかし大企業にありがちな一方的なものではなく、Frontwireを率いるTony Romanelli氏が話し合いを求めたところ、ルーカスフィルム首脳陣との電話会談が一週間後に設定され、先日行われたのだという。

 そこで問題として判明したのが、パロディとしてのライセンス問題そのものというよりも、本作がビデオゲームであり、エレクトロニック・アーツ(EA)とルーカスフィルムの間で結ばれた「スター・ウォーズ」ゲームを開発するための独占契約と衝突すること。ルーカスフィルムは『Galaxy in Turmoil』へライセンス提供できるかどうかについても検討したが、EA側の同意が得られなかったのだ(Frontwireがその場で提案した、EAのOriginメンバー向けの無償提供という案も、実は事前にルーカスフィルムとEAの会議で挙がった上でEA側が選択しなかったということらしく、可能性も探らずに最初から全面却下という話ではなかったのがうかがえる)。
 この点についてRomanelli氏は、自社のIPや契約の対価として得た権利を最大限に守るという両社の動機そのものは自分が相手の立場であったとしても同じの当然のことだとして、両社に対して敬意をもって理解を示している。


●旧バトルフロントシリーズのインスパイアという点については不問
 結果としてFrontwireとしては依然としてプロジェクトが法で認められたフェアユースの範疇であることを信じているものの、これ以上は法廷闘争になってしまい、それは本意ではないために方針転換することになったわけだが、ここからが面白いところ。ルーカスフィルム側から「旧バトルフロントシリーズにインスパイアされた、スター・ウォーズIPを使っていないゲーム」である限りは問題ないと言われたそうで、これが最終的な決定に繋がっている。

 というのも、本作が参照しているFree Radical Design開発版の『スター・ウォーズ バトルフロント3』は、あくまでルーカスフィルム傘下のルーカスアーツで製作されていた旧バトルフロントシリーズの作品であって、「スター・ウォーズ」のIP部分を除けば、EAの『スター・ウォーズ バトルフロント』とは本質的に別のものなのだ。
 従って、『スター・ウォーズ バトルフロント3』にはFree Radical Designが途中まで開発してルーカスフィルムが権利を持つゲームデザインやその他諸々が含まれていて、『Galaxy in Turmoil』にはオリジナルに開発した部分とそれらの発想が融合しているが、その部分については不問であり、どうぞご自由にということ。

 かくして『Galaxy in Turmoil』は、フルのシングルプレイキャンペーンと64人対戦のマルチプレイを持つ、オリジナルのSFアクションシューティングとなるわけだが、有料DLCや少額課金の採用は予定しておらず、完全無料を貫く方針。このチャレンジを粋に感じる人は、クラウドファンディング開始の際にデモをトライして、気に入ったら少し出資を検討してみるといいだろう。

最終更新:8月1日(月)14時21分

ファミ通.com