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ワイヤレスイヤフォンならではの機能性を凝縮! 北欧デザインもうれしいB&O PLAY「H5」を聴く

ITmedia LifeStyle 8月1日(月)6時10分配信

 デンマークのオーディオブランド、B&O PLAYからワイヤレスイヤフォン「H5」が発売された。次期iPhoneでイヤフォンジャックがなくなるという噂もあって注目を集めるBluetoothイヤフォンだが、B&O PLAY「H5」にはどんな特徴があるのだろうか。詳細をチェックしていこう。

ハウジングにマグネットを搭載。くっつけるとネックレスのように首もとにかけられる

 B&O PLAYは、創立から90年を超える長い歴史を持つ「Bang&Olufsen」(バング・アンド・オルフセン)のカジュアル・ブランドとして2012年に誕生した。これまでにオーバーヘッドホン「H6」、カナル型イヤフォン「H3」に始まり、昨年はノイキャンとBluetoothワイヤレス再生に対応する“全部入り”の「H8」が登場し、音楽ファンが求めるリスニングスタイルにフィットする製品を着実に充実させている。そして「H5」はB&O PLAYにとって意外にも初めてのワイヤレスイヤフォンになる。

 特徴の1つめは音質だ。Bluetoothオーディオの高音質コーデックであるaptXは、低遅延バージョンの「aptX LL」までサポートする。これはBluetoothイヤフォンとして今のところ珍しい特徴だといえる。なおiOSデバイスとの組み合わせではAACコーデックによる接続にも対応する。

 さらにペアリングしたスマホに「Beo Play」アプリをインストールすることで、直感的なタッチ操作のイコライザー機能「Tone Touch」や簡易な音楽再生プレーヤー機能が使えるようになる。アプリはiOSとAndroidの両方に対応するほか、Apple Watchによるコントロールも可能だ。

 もう1つは北欧のトップデザイナーであるJacob Wagner氏が手がけた、ワイヤレスイヤフォンとしての機能性に従ったミニマルなデザインだ。コンセプトは“耳に着けるジュエリー”。耳元のラインへ完璧にフィットするように仕上げた。「H3」は輝きを放つメタルハウジングを特徴としているイヤフォンで、こちらもWagner氏のデザインによるものだが、H5のハウジングは素材にゴムと樹脂を用いて“つや消し”とした。サイズはH3よりも少し大きめだが、BluetoothレシーバーなどICチップや50mAhのバッテリーを格納しながら、このサイズ感を実現したことは驚きに値する。

 首に下げた状態でハウジングの背中に乗っているマグネットを重ね合わせると、本体の電源がオフになりバッテリーの浪費をカットしてくれたり、同じマグネットを活用して充電用の“USBチャージングキューブ”によるスマートな充電ができる先進性がH5ならではの魅力だ。カラーバリエーションはブラックとダスティ・ローズの2色をそろえる。

 暑い季節にアウトドアで音楽を聴くと、イヤフォンが汗にぬれてしまうものだ。ジョギングなどスポーツ時に使うことも考慮して、H5では本体に防水・防塵加工を施している。イヤフォン同士をつなぐケーブルは首の裏側を通すスタイルで、被覆にはファブリック素材が使われている。これはスニーカーの靴紐を意識したデザインなのだという。イヤーピースは4サイズのシリコンチップと、Complyの「SweatGuard」機能付きスポーツ用メモリーフォームチップが3サイズ付属する。装着感や音の好みで使い分ければいい。

 装着感はバランスがとても自然で快適、遮音性も高い。ただ、ケーブルの被覆がファブリックであるせいか、えりのあるシャツを来て装着すると若干タッチノイズが気になることもあった。付属のケーブルクリップを活用して、ケーブルが首もとでぶらつかないよう長さを調整するといいだろう。

 携帯できる充電器「USBチャージングキューブ」はデザインや使用スタイルがクールなアイテムだ。単体販売もしているので、必要に応じて家と職場にキューブを1台ずつ用意しておけばバッテリー切れの心配も減る。内蔵バッテリーによる連続再生時間が約5時間なので、長距離を移動する旅に出かける際などは手荷物に入れて持ち歩いた方がベターだが、通常のmicroUSBケーブルよりもちょっと重い。

●バランスはフラット、ややモニターライクでクールな音色

 それではH5のサウンドをチェックしてみよう。「Xperia Z5 Premium」につないで、CDリッピングのソースやAWAの音楽配信コンテンツを聴いた。スマホアプリのイコライザー機能についてはこの後で解説するが、試聴時にはこれをオフにしている。

 ダリル・ホール&ジョン・オーツのベストアルバムから『I Can't Go for That(No Can Do)』では、ボーカルがとても力強くてクリアだ。声にこもりがなく、芯が強い。伸びやかな余韻が静寂の中に自然と溶け込む、素直で色づけのない音。バランスはフラットで、ややモニターライクでクールな音色だ。シンセサイザーのハーモニーも余韻の抜けがいい。エレキベースの低音は気持ちよく躍動する。分離感がよく、バンドの位置関係も立体的に見えてくる。

 マドンナのアルバム「Rebel Heart」から『Bitch I'm Madonna』では、打ち込みによるサウンドの広々とした空間再現が確かめられた。リズムの打ち込みがタイトで、瞬発力も高い。音像はだぶつくことなく、タイトなインパクトが体の芯に響いてくる。ボーカルはエネルギーの打ち出し方がやや強めなので、時折高域が鋭くシャープに感じられることもあるが、エッジが耳に障る感じはない。ドラムスや打ち込み楽器は高域のリズムが素速く立ち上がり、抜け味も開放的。縦横に立体的な空間描写を広げる。

 上原ひろみのアルバム「SPARK」から『Wonderland』では、全体のバランスをフラットに整えながら、低音をどっしりと深く沈みこませて、高域は華やかに鳴らしたり、メロディの抑揚感に富んでいる。ピアノのタッチは若干固めだが、むしろこのクールな表情がH5の持ち味だ。トリオの楽器がそれぞれに繰り出す音の分離感もよい。

 「BeoPlay」アプリではH5のサウンドを直感的なタッチ操作でカスタマイズできる。四象限マトリクスのインターフェースを見ながら、白いオブジェクトをWARM、EXCITED、RELAXED、BRIGHTの4つのエリアに指で動かしながら持ってくることで、それぞれ音色が細かく変わる仕組みになっている。例えばWARMでは低音が強調され、BRIGHTでは高音域の透明感が増すといった具合だ。あらかじめ設定された4種類のプリセットから好みの音を選んで切り替えることもできる。元来ニュートラルな素性であるH5の音を、利用シーンに合わせて低音に厚みを加えたり、ボーカルをじっくり聴きたい曲はチューニングで追い込んだり、イコライザー機能を使い慣れていない入門ユーザーも気軽に楽しめるところが良い。ミュージックアプリだけでなくAWAやApple Musicなど、さまざまな音楽アプリにも設定が効くので、ぜひH5のユーザーなら使いこなしたい。

 スタイリッシュに身に着けて個性を主張できるだけでなく、音質はバランスよく、ジャンルを問わず音楽と自然に馴染める懐の深さがH5の魅力だ。また1つ、ハイグレードなワイヤレスイヤフォンが誕生した。

最終更新:8月1日(月)6時10分

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