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Windows10の無償アップグレード終了、会社が確認すべきことは?

ITmedia エンタープライズ 8月1日(月)8時20分配信

 米国時間の7月29日、一般ユーザー向けのWindows 10への1年間無償アップグレード期間が終了した。今後ユーザーは、新たなパッケージを購入してアップグレードをする必要がある。Windows 10ではアップグレードパッケージが用意されていないためだ。企業ユーザーでも、Microsoftのボリュームライセンス契約を使ってWindows OSを導入していない場合は、一般ユーザーと同じ扱いになる。

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 企業にとってWindows 10への移行は、一般ユーザーほど難しいものではないと思うが、いくつか注意すべき部分がある。

●セキュリティ対策に乗り遅れる

 まず、多くの企業がOSのアップグレードとハードウェア(PC)のリプレースを同時に行っている。これは、ハードウェアにOSがプリインストールされていることが大きな理由だ。またITシステムの都合により、プリインストールされているOSをWindows 7などにダウングレードして入れ替えていることも多い。今後は、ダウングレードなどによってWindows 7をプリインストールできないため、Windows 10へ一気に舵を切る必要がある。

 新しく導入するハードウェアはWindows 10を採用し、既存ハードウェアのリース期限の終了に合わせて、5年~8年かけてWindows 10へ移行しようと考えている企業も多いだろう。このあたりは企業のIT部門の考え方次第だが、できれば積極的にWindows 10へのアップグレードを進めてほしい。

 その大きな理由はセキュリティ対策の強化だ。Windows 10 Enterpriseでは、「Device Guard」というあらかじめ企業が指定したアプリケーションしか動作できない機能が提供される。Universal Windows Platform(UWP)アプリだけでなく、既存のWin32アプリケーションなどもカバーしているため、例えば、社員などのユーザーがゲームアプリなどを勝手にインストールしても、管理者が動作しないように設定できる。ウイルスなど不正プログラムに侵入された場合でも、登録されたプログラムしか動作しないため、ハッキングされて情報が盗まれる可能性が格段に低くなる。

 8月2日にリリースされる「Windows 10 Anniversary Update」(同じくWindows 10 Enterpriseでサポート)で追加される「Windows Information Protection」(旧称Enterprise Data Protection)を使えば、個人購入のPCなどを会社の業務にも使うBYODでも、個人と会社のデータを切り分けられる。

 「Rights Management」も使うことで、管理者は個人ユーザーがPC内の業務データをメールで転送したり、印刷したりすることを制限できる。また、Microsoftのクラウド型管理システムの「Intune」や「System Center」などを利用して、企業のデータをリモートから消去できる。退職した場合でもBYOD端末のデータを簡単に消去できるというわけだ。

 こういった企業にとって必須なるセキュリティ機能の多くは、Windows 10 Enterpriseでしか利用できない。そして、ハードウェア側でも仮想化機能やTPMなどの機能が必須になっている。

 Intelの第6世代のCoreプロセッサを採用したPCのほとんどは、仮想化機能やTPM 2.0をサポートしている(AMDのAPUもサポート)ので、Windows 10のセキュリティ機能を利用できる。一方、Intelの第5世代のCoreプロセッサを採用したPCでは注意が必要だ。仮想化機能をサポートしているが、TMP 1.2のサポートのみというものが多い。なお、セキュリティレベルがTMP 2.0よりは少し下がるが、Windows 10のセキュリティ機能を利用できないわけではない。

●XP移行時の対応が尾を引く恐れ

 こうした状況を踏まえると、2014年以降にリリースされたPCであれば、十分にWindows 10のメリットを生かせるだろう。Windows 8がリリースされた2012年製のPCでもWindows 10は問題なく動作するが、その時点でリース導入したPCの期限が2017年に終了することを考えれば、前倒しでリプレースしてもいい。

 問題は、2014年春のWindows XPのサポート終了時に購入したPCだ。この時に購入された多くのPCが、Windows 8ではなく、Windows 7にダウングレードされて企業で稼働している。これらのPCでもWindows 10は動くが、一部のアプリケーションがWindows 10に対応していないことがあり、事前にテストしてアップグレードした方がいい。

 今後はWindows 10の環境が当たり前になるに従って、ハードウェアの入れ替え時にOSを変更するのではなく、適宜アップグレードしていくことが当たり前になるだろう。このことは、長年のPCリプレースの方法に慣れ親しんでいる企業にとって、乗り越えなくてはならない変化だ。

 その意味でWindows 7/8.1からWindows 10への移行は大きなハードルだが、いったんWindows 10にアップグレードすれば、後は「Windows as a Service」のポリシーに則り、ハードウェアの寿命が来るまで新しいWindows 10にアップグレードし続けられる。Windows 10への移行を社内のPC管理を大きく見直すきっかけにしてほしい。

最終更新:8月1日(月)8時20分

ITmedia エンタープライズ

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