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小学校の校庭に「神様専用の場所」 気比神宮飛び地、児童らが守る決意

福井新聞ONLINE 8月1日(月)17時56分配信

 敦賀北小学校(福井県敦賀市)の校庭の隅に直径10メートルほどのこんもりした林がある。中央に校舎3階まで届くスダジイの木が伸び、周囲には高さ約1・5メートルの石垣。笑い声が響く校庭にあってひっそりとした林は一種、異様な雰囲気だ。

 「『土公(どこう)』さんに入ってはだめ。神様専用の場所なんだから」。園田駿介君は、怖いものでも見るように、でも少し誇らしげに見やり、教えてくれた。

 土公と呼ばれる塚状の林は、学校が隣接する気比神宮の飛び地。校庭内にあるが、れっきとした“境内”だ。「主祭神・伊奢沙別命(いざさわけのみこと)が最初に降り立った場所。702年に社殿ができるまでは、この場所を祭祀場としていた」と同神宮の福本祐喜宮司(56)。こんもりした林はいわば、気比神宮始まりの地なのだ。

 「北小はもともと神宮の土地に立っているんです」と歴史を語った木村日琵君。学校用地として土地の一部を譲る際、神聖な土公を残す形で、校舎が建てられたという。同校では毎年、3年生の児童が土公を含めた気比神宮の歴史を学び、先輩から後輩へと意義を語り継いでいる。
 「昔は邪魔と言う人もいたけど、歴史あることが分かった今は皆が大切に思っている」と松田彩愛さん。上田歩奈さんは「入学するときに『むやみに入ってはだめ』と言われた。今も入らないようにしている」と胸を張った。

 気比神宮は土公を含め近く「おくのほそ道の風景地」として国の名勝に指定される。子どもたちの自慢のタネがまた増えそうだ。「学校の中に気比神宮があるなんてすごいよね」と田辺怜音君。「土公さんを移動させるなんて話が出たらどうしよう」と心配する松山真響君は「そうなったら僕らで守ろうよ」と皆に呼びかけた。

福井新聞社

最終更新:8月1日(月)17時56分

福井新聞ONLINE