ここから本文です

「平和と脱原発」ではダメ 惨敗の鳥越さん、そしてリベラルは負け続ける

BuzzFeed Japan 8月1日(月)11時42分配信

自民分裂のチャンスだったはずが、2位にも入れず

「護憲、平和と脱原発」、そして「反アベ政治」。民進、共産などが推した野党統一候補、鳥越俊太郎さん(76)が訴えていたキーワードだ。結果は約135万票。当選した小池百合子さん(64)の半分にも満たなかった。【石戸諭 / BuzzFeed Japan】

鳥越さんは、直前の参院選で野党候補が東京で集めた239万票から、104万票取り逃がした計算になる。分裂選挙だった自民に対し、2位にすら入れなかった。

投票率は、参院選東京選挙区が57・5%、都知事選は59・7%。大きな差はないにもかからず、なぜ、100万票以上減らし、惨敗したのか。
その理由を探っていく。

都知事選に「関心がない」

そもそも、候補者を決める時から、何かがずれていた。
立候補表明は、選挙戦がはじまる2日前、7月12日だった。そこで、公然と「関心がなかったから他候補の公約は読んでいない」と言い放った。

鳥越さんが擁立されたのは、テレビに出ていて知名度が高く、選挙に勝てそうだからだ。そしてもう一つ重視されたのが、安倍政権、改憲に対して批判的であること。

立候補を主導したのは民進党の岡田克也代表ら党執行部であり、乗っかったのは同じく政権に批判的な共産党などの野党だった。最大の大義は参院選から進めてきた「野党共闘」の継続だ。

「反アベ」「平和」「原発」

鳥越さんも陣営も、敗因の第一に「準備不足」をあげた。
それでも、本人は「数日のうちに準備ができた」として、「街頭演説を聞いていればわかったと思う。最初と最後ではだいぶ違う」と胸を張っていた。

確かに、最初は「がん検診100%」であり、他の都知事にはない「聞く耳」を持っているがキーワードだった。選挙戦を戦ううちに、最後は「脱原発」と「平和」に関する訴えが軸になっていった。
「だいぶ違う」のは本当だ。

象徴していたのは街頭演説、そして支援者の発言だ。鳥越さんの応援にまわった高名な作家やジャーナリストの発言は、こうだった。

第二次世界大戦をテーマにした著作を数多く手がける、ノンフィクション作家の澤地久枝さんは、「反アベ政治」を東京都知事選挙の争点にあげた。

「今度の東京都知事選挙はただの選挙じゃない。今度の選挙は私たちが参院選で手にすることができなかった、反アベの選挙の結果を出さなければならない。勝たなければならない」

集まった支援者は、大きな拍手を送る。
「反権力」を貫くジャーナリスト、鎌田慧さんはこうだ。
「原発をやめてくれと市民が声をあげているのに、安倍政権は振り向かない。政権は憲法を変えようとしている。しかし、私たちはそういうことはまったく許していない。私たちの一票を日本を変える、社会を変える一票として、東京都知事選挙から始めていきたい」とやはり、原発と憲法、平和問題を軸に、反アベ政治から鳥越さん支持を訴える。

澤地さんは7月29日、渋谷駅前であった集会で、作家の瀬戸内寂聴さんの言葉を紹介した。

瀬戸内さんは「お化粧の濃い人が知事にならないよう、頑張るように」と澤地さんを通じて、鳥越さん陣営にエールを送った。

「お化粧の濃い人」とは、元都知事で、政治的な立場では瀬戸内さんと真逆に位置する石原慎太郎さんが使った、小池さんを揶揄する言葉だ。

女性の外見をあげつらう発言なのに、澤地さん含め誰からも、そこへの疑問の声はあがらず、集会は盛り上がったまま、進んでいった。

1/4ページ

最終更新:8月1日(月)11時42分

BuzzFeed Japan

いかにして巨大イカを見つけたか
人類は水中撮影を始めたときから巨大イカ(ダイオウイカ)を探し求めてきました。しかしその深海の怪物を見つけることは難しく、今まで撮影に成功したことはありませんでした。海洋学者であり発明家でもあるエディス・ウィダーは、ダイオウイカの初の撮影を可能にした知見とチームワークについて語ります。