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パーキンソン病、リハビリは「散歩」 岡山旭東病院の柏原神経内科部長に聞く

山陽新聞デジタル 8月1日(月)12時39分配信

 パーキンソン病をテーマにした市民健康講座が20日、岡山市北区駅元町の岡山コンベンションセンターで開かれる。患者は国内に約15万人と推計され、高齢化に伴い増加の一途をたどっている。講座を企画した岡山旭東病院(岡山市中区倉田)の柏原健一神経内科部長に、パーキンソン病の治療法や家庭で取り組めるリハビリ、市民健康講座の内容などを聞いた。

 ―パーキンソン病を発症する原因は。

 手の震えなどの運動障害は中枢神経に作用する神経伝達物質・ドーパミンの減少によることは分かっていますが、なぜ減るかという根本的な原因は分かっていません。また、全体の5~10%は遺伝性です。α―シヌクレインという物質が中枢神経系や末梢(まっしょう)の自律神経系に病的に蓄積され、神経細胞を障害して発症するのです。

 ―どういう症状が出ますか。

 手足が震えたり歩幅が小さくなったり、動作が緩慢になったりするのが最も知られた症状ですが、そこまで進行する以前に便秘や頻尿、寝言、うつといった症状が現れます。発症後20年ほどすると、約8割の人に認知症の症状が現れます。とはいえ、健康な人でも加齢とともに認知機能は衰えていきます。パーキンソン病だから認知症の症状が早く出たり、程度がひどくなるとは限らないので、悲観しないでください。

 ―治療方法を教えてください。

 脳内で不足するドーパミンを増やすレボドパと、ドーパミンの受容体を直接刺激するドーパミンアゴニストのいずれか、あるいは両方を処方するのが一般的です。レボドパは非常によく効く半面、長い年月にわたり飲み続けると、副作用として意思とは関係なく体が動く不随意運動が起きやすくなります。ドーパミンアゴニストはその副作用のリスクは小さいが、レボドパほどの薬効はありません。初期はどちらを使っても効果はあまり変わりませんが、少ない副作用で良い効果が得られるよう、年齢や症状を勘案して薬を選択します。

 ―日常生活で取り組めるリハビリは。

 日常生活の全てがリハビリといえます。まずは散歩をしてください。手を大きく振り、足をしっかり上げることが大事です。趣味のサークル活動やカラオケも良いです。大事なのは家族のサポート。家族はチーム医療の一員です。しっかり患者さんを支えてください。

 ―市民公開講座は年2回開き、今回で27回目を迎えます。長年続ける理由は。

 パーキンソン病は運動、精神、認知、自律神経などさまざまな問題症状が出て、しかもその症状は患者さんごとに異なります。治療も、薬、手術、リハビリなどがあります。そのため、治療の考え方が専門医によって若干異なることがあります。だからこそ、全国で活躍している専門医に協力を求め、それぞれの知見を分かりやすく話してもらっています。家族を含め、幅広く正しい知識を持ってもらうことが良き治療と豊かな生活につながります。前向きに病気と向き合ってください。

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 市民健康講座では、千葉大病院神経内科の平野成樹講師が「パーキンソン病との付き合い方」のテーマで講演。音楽療法士で倉敷北病院リハビリテーション科の松鹿滋子さんと、岡山旭東病院リハビリテーション課の藤田直也さんが「リズムに乗って歌ってみよう」と題し、音楽に合わせた体操を実演する。

最終更新:8月1日(月)12時39分

山陽新聞デジタル