ここから本文です

井口資仁が監督の若手“喝”直後に取った行動 最年長野手が担う貴重な役割

Full-Count 8月1日(月)16時4分配信

グラウンドでもベンチでも…プロ野球最年長野手が果たすかけがえのない役割

 打った瞬間だった。歓喜に沸くベンチにチラッと視線を送ると、右手人指し指を天高く突き上げた。7月19日に西武プリンスドームで行われた埼玉西武戦。井口資仁選手は地鳴りのような歓声を全身に浴びながらゆったりとダイヤモンドを一周した。

ロッテ、過去10年のドラフト指名選手一覧

 0-2とビハインドの6回だった。1死満塁。代わったばかりで制球の定まらない埼玉西武の2番手・大石投手のストレートに狙いを定めていた。2ボールから投じたファーストストライク。144キロの直球を打ち返すと、打球は大きな弧を描き、レフトスタンドに吸い込まれていった。通算13本目の満塁本塁打。41歳7カ月での満塁弾は74年のアルトマン氏の41歳0カ月を抜いて球団最年長での満塁アーチとなった。

「バッティングカウントだったからね。良い形で打てた。打てないときは、どうしても消極的になって球を見がちになる。そうではなくて積極的にいこうと思っていた」

 大ベテランならではの読みと経験が生み出す一発はチームを救った。この日までチームは6連敗。7月に入り、投打がかみ合わない状況が続いていた中でお手本とばかりに狙いを定め、積極的に振りにいった。「さすがは井口。あの一打でベンチの雰囲気が変わった。流れが変わった。ベテランらしい一打だった」とベンチで見守る伊東勤監督も絶賛した。

 日米合わせて20年目の経験をチームのために惜しみなく伝えている。それはバットだけではない。試合後に指揮官が若手に喝を入れた後、井口は申し入れたことがあった。「彼らを食事に誘ってもいいですか」。若手に、心のフォローをしてあげたいというベテランの心配りだった。その意図をすぐに察した伊東監督は「ちょっと、いろいろと話をしてあげてくれ」と快諾した。

なぜ若手を誘おうと思ったのか、想起される自身の経験

「オレも監督と同じように感じていた。若い選手たちが結果を気にし過ぎていて消極的になっているとね。彼らをなんとかしてあげたい。その思いだけ。食事に連れて行くことで、いろいろなことを伝えることができればと思ってね。なにかヒントになるような話ができればと思った」

 もちろん、ロッカーやベンチでアドバイスをすることもある。でも、食事をしながら、じっくりと話をすることが大事だと自身の過去の経験から知っている。だから、若手たちを誘い、食事にでかけることが多い。このときはおいしい牛タンに舌鼓を打ちながら、たわいもない会話もしながら、野球の話をした。じっくりと時間をかけることによって話せることもあるし、普段は遠慮をして質問できない若手を和ませることで自分たちから疑問に思うことを積極的に話してもらえる雰囲気作りを大事にしている。

「若い子たちに成功してほしい。今、彼らに足りないのは引き出しの数かな。自分はそれを増やしてあげる手助けができればと考えている」

 井口もまた若い頃、同じ経験をした。何度も壁にぶち当たった。そのたびに福岡ダイエーのスター選手であった秋山幸二氏、小久保裕紀氏などに声を掛けられ、食事を共にすることでいろいろな話を聞いて勉強をし、成長をした。そして野球における引き出しを増やし、いろいろな状況に対応できるようになった。その経験があるからこそ、今、若手と一緒に過ごす時間を大切にしている。積極的に話しかけたり、相談に乗ったりする。時には冗談を言って、和ませることもある。

「今の自分の役割はプレーだけではない。このチームは若い選手が多い。自分が教えたり、なにかプレーをする上でのヒントを与えたりすることができればと思っている。それに今の自分が選手の誰よりも監督と年が近いからね」

1/2ページ

最終更新:8月1日(月)18時4分

Full-Count

スポーツナビ 野球情報

MLB 日本人選手出場試合9月30日(金)

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。