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ディズニーがヒット作を連発する秘訣は? 『ジャングル・ブック』製作者が語る

ぴあ映画生活 8月2日(火)10時50分配信

ディズニーの超大作映画『ジャングル・ブック』が11日(木・祝)から公開になる。近年、ディズニーは『ベイマックス』『ズートピア』『アリス・イン・ワンダーランド』など次々に話題作を公開し、そのすべてが大きな成功をおさめている。彼らの成功の秘訣はどこにあるのか? そのポリシーは『ジャングル・ブック』にも引き継がれているのか? プロデューサーのブリガム・テイラーに話を聞いた。

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ディズニーは1920年代にアメリカで活動を開始し、名作アニメーションを次々に発表。テレビ、テーマパークなど活動の場を広げ続けているが、その長い歴史の中には低迷期も存在した。しかし近年の彼らは、次々にプロジェクトを成功させ、ピクサー・アニメーション・スタジオ、マーベル・エンターテインメント、ルーカス・フィルムと巨大なネットワークを築き、磐石の態勢で新作を世におくりだしている。

そんな中、彼らはこのタイミングであえて「極めて野心的なプロジェクト」に挑んだ。それが『ジャングル・ブック』だ。本作は、ジャングルで黒ヒョウとオオカミに育てられた人間の少年モーグリが、人間への復讐に燃えるトラに出会い、ジャングルの脅威だといわれたことから、壮大な冒険に出かけ、自身の進むべき道を見つけ出していくまでを描いたアドベンチャー大作で、主人公の少年以外をすべてデジタルで描き、これまでにない映像世界を創造した。「近年、『ライフ・オブ・パイ』や『猿の惑星:新世紀(ライジング)』など生身の俳優と、CGキャラクターを並べて描くことは一般的になってきていますが、ここまでの規模のプロジェクトは前代未聞ですから、最初から極めて野心的な挑戦になることは覚悟していました。一方で、まだ誰も観たことのない映画を作ってやろうという意気込みもありました」

しかし、意気込みだけでは映画作りは進まない。「そうなんです! この映画はとてつもないスケールの時間と予算と労力がかかるんですよ(笑)」。通常であれば、これだけ規模が大きく、リスクの大きい作品を進めることをスタジオは歓迎しない。しかし「ウォルト・ディズニー・スタジオ会長のアラン・ホルンは『ジャングル・ブック』が大好きで、彼が全面的に支援してくれることになって、プロジェクトが実現したのです。監督のジョン・ファヴローは“真に革新的なことができる”ことに魅力を感じていましたね」

興味深いのは、大規模プロジェクトにGOサインが出て、巨額の予算が計上された後、彼らは映像ではなく、まず“ストーリーづくり”に長い時間をかけて取り組んだことだ。「何よりも大事なのは、キャラクターとストーリーです。本作で心がけたのは、パワフルな感情を描きながら、シンプルな物語を語ることでした。ひとりの少年が自分の本当の居場所を見つける……いつも、この芯からブレないようにしましたし、不要なストーリーは削除して、どれだけ最新のデジタル技術であっても、この物語をよく見せるためのツールなんだという考えを常に持つようにしました」

この強い信念の根底には、長年に渡って受け継がれてきた“ディズニーのDNA”が息づいているとテイラーは分析する。「監督それぞれにスタイルはありますが、ディズニー作品には長年に渡って受け継がれてきたDNAのようなものがあります。それに私は、作品のクオリティを作りだすのはスタジオではなく、フィルムメイカーだと思っています。ディズニーはピクサーを仲間に引き入れましたが、それはピクサーという“スタジオ”や“ブランド”ではなく、ジョン・ラセターやブラッド・バードという“人”を仲間に迎え入れたということだと思うんです。それはマーベルについても同じことで、優秀な彼らがいることで、私たちはクオリティの高い作品を作り続けることができます。さらに重要なのは、ウォルト・ディズニー・カンパニー会長のボブ・アイガーやアラン・ホルンが“映画の作り手”に決定権をすべて与えて、全面的に支援していることです」

ストーリー作りの過程ではピクサーのドラマ作りに学び、キャラクター表現では過去のディズニーの名作群を参照するなど、本作は、これまでの遺産と現代のスタッフの知恵を総動員して製作が進められた。テイラーが「アメリカだけでなく全世界の人々に愛されるディズニー作品の重要な要素、楽観的な世界観、マジカルな表現、とにかく楽しいドラマ……そのすべてがこの映画には入っている」と語る『ジャングル・ブック』は、日本でも多くの人々から愛されるのではないだろうか。

『ジャングル・ブック』
8月11日(木・祝) ロードショー

最終更新:8月2日(火)10時50分

ぴあ映画生活

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。