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米国の不動産投資の節税スキームと住宅傾向

ZUU online 8月2日(火)6時10分配信

外国投資家による米国不動産の購入が年々上昇している。カナダからの投資額が1位となっており、日本からの投資額もなんと7位となっている(出所:National real estate investor)。日本の投資家にとって、国内ではなく米国の不動産投資のメリットは何だろうか。

■日本と欧米では不動産・住宅に対する考え方が異なる

最大のメリットは、日本は全世界所得課税を採用しているため、海外の不動産にも「加速償却」が適用できることだろう。

日本の税法は、中古資産の耐用年数を法定耐用年数の全部を経過した資産の耐用年数の場合は、その法定耐用年数の20%に相当する年数を加速償却時耐用年数とすることができる。

日本の築年数22年以上の木造不動産でも同様の節税が可能だが、そこには日本と米国の中古資産に対する考え方の違いが存在する。いわゆる価値観の違いである。

日本において、木造不動産で築22年以上の物件はほとんど価値がないといわれいる。一方、米国では築22年以上の木造不動産で建物比率が60%ら90%程度の者が豊富に存在しているのである。

日本でも住宅に対する考え方には「建物の価値はいずれなくなる」「メンテはしない」「年数が経過すれば価値がさがる」という傾向がある。

欧米では、「建物の価値は維持されるはず」という考えであり、「メンテはしっかりする」「年数が経過すれば価値があがる」という傾向がある。

その違いが米国の中古資産への不動産投資が増加する要因があると考えられる。

■現在の米国不動産市況

米国全体で今、労働者の所得は上昇している。雇用拡大が賃貸住宅市況を呼び起こしている。継続的な需要住宅と雇用抄出か賃料上昇を後押しし、賃料は3.7%上昇するとみられている。住宅供給の成長率は、落ち着くものの引続き上昇していくと見られる。

また「多子高齢化」からメリットを受ける集合住宅、20代から30代の代の若手世代が上昇により集合住宅需要増大傾向も持ち家比率と集合住宅の需要増加、自宅の金融機関差し押さえ、住宅ローンの借入の難化、持家志向から借家志向の意識変化の傾向があるのも要因である。

米国のローンでのレバレッジはどうだろう。ローンを利用することにより出資金を抑えて投資効率の上昇を実現できるのは確かだが、米国現地金融機関から外国人向けローンを調達するには、諸々手続きや費用の面で十分に留意しなくてはならない。

■米国不動産投資のリスクとは

米国現地金融機関の融資比率は、最大物件価格の60%、金利は、2015年12月現在で4.5から5%程度といわれている。また口座開設のため借入本人の渡米が必要な亜場合があるので金融機関に確認する必要がある。

また米国に投資する際は当然ながら為替の変動リスクがあることも承知しておく必要がある。

このほかにも、運営リスク、流動性リスク、災害リスク、カントリーリスクが存在することも確かである。

運営リスクとは、日本での不動産投資でも同様であるが空室リスク、家賃滞納によるリスク、賃料下落によるリスク、不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク、テナントの建物使用態様に関するリスク、不動産の運用費用増加に関するリスク、不動産管理会社に関するリスクである。

これに関しては、優秀なPM(プロパティーマネージャー)の選定、アセットマネージャーによるPM会社の管理、物件の適切な維持管理による価値向上、賃貸需要が高いエリアの選定によりリスク対策を行える。よって不動産投資会社をしっかり選ぶことが投資家としての最初の心得であろう。

流動性リスクとしては、既存住宅流通シェアの日米比較に興味深い資料がある。日本に置いては、総務省により住宅・土地統計調査によると既存住宅流通戸数は、17.1%であるが、米国は既存住宅流通戸数は78%もある(Statistical Abstract of the U.S.2006)。つまり日本の40倍の規模の中古住宅市場であるということである。また米国は住宅の平均使用年数が90年と、成熟した中古住宅不動産市場なのだ。

米国不動産については、リスクを抑え、分散できることが投資家としての最大のニーズであり、メリットといえるかもしれない。

眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表)

最終更新:8月2日(火)6時10分

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