ここから本文です

1万円でタイプライター気分 変態配列メカニカルキーボード「KFK51N」レビュー

ITmedia PC USER 8月2日(火)6時10分配信

 海外の熱狂的なキーボードマニアの間で考案され、いくつかの自作例もある“タイプライター風キーボード”。

【この配列は間違いなく「変態」】

 Bluetooth接続の「Qwerkywriter」の登場により身近になってきたタイプライター風キーボードだが、5万9800円という価格柄、気軽に手が出せる製品ではない。

●コンパクトなタイプライター風キーボードが恵安から登場

 そんな中、国内でAndroidタブレットやフォトフレーム、自作PC用電源などさまざまなデバイスを発売する恵安からも、タイプライター風のキーボードが発表された。見た目もさることながら、目を引くのはその価格だ。実売1万円という価格はQwerkywriterの約6分の1であり、メカニカルキーボードとしても安価な部類になる。

●廉価ながらも妥協のないデザインと質感

 まずは本体の外観から見ていこう。

 本キーボードは最近流行のフレームレス仕様となっており、アルミニウム製と思わしき鉄板のエッジにつけられたダイヤカットが美しい。

 キーキャップはQwerkywriterとそっくりで、触り心地はプロ向けをうたう東プレの高級キーボード「Realforce 108UG-HiPro」に通じる気持ちよさがある。

 タイプライター風キーボードとして、デザインや質感では間違いなく満足できるだろう。

 いくら「見た目が売り」の製品とはいえ、本機はあくまでもキーボード。人がPCと対話する上で最も重要なデバイスの1つであり、その使い勝手は作業効率に直結する。次は使い勝手の側面から、この製品を見てみよう。

●機能はほぼ「全部入り」

 本機は廉価ながらも、キーのバックライトや着脱可能なUSBケーブル、キーリピート速度(キーを押し続けた時の連続入力速度)の調整や、CtrlキーとCapsLockキーの入れ替え機能など、多種多様な機能が搭載されている。また、本機にはファンクションキーが搭載されていないが、「Fn」キーと数字キーを同時押しすることで入力することが可能だ。

●キースイッチ「Kailh茶軸」の感触は?

 本機は、ダイヤテックのメカニカルキーボードである「Majestouch」シリーズで採用されている独ZF Electronics製メカニカルキースイッチ「Cherry MX」ではなく、中国Kaihua Electronics製のメカニカルキースイッチを採用している。

 本機に採用されているのは「Kailh茶軸」と呼ばれるもので、「Cherry MX 茶軸」と似た感触を持つスイッチだ。このスイッチはいわゆる「Cherry MX クローン」なスイッチであり、Cherry MXスイッチとほぼ完全な互換性がある。

 後発の廉価なクローンスイッチということで、Cherry MXに劣るものと思われがちだが、使用感において劣る部分は全く感じられなかった。もっとも長期間の使用をしたわけではないので、耐久性の評価が下せないのはご了承頂きたい。

 それよりも気になったのは、タイプライター感の少なさだ。タイプライターを利用したことのある人は分かって頂けると思うが、タイプライターのキーは一定の押下圧を加えたところでアームが紙に打ち付けられ、心地良い音と共に一気に圧が軽くなる。

 コンピュータ向けのキーボードも当初はこの「タイプライター風」な打鍵感を模したものが主流であり、IBMの開発したバックリングスプリング方式のキーボード「Model M」はキーボード好きの間で今もなお評価され続けている。

 メカニカルキースイッチにおいてもタイプライターの打鍵感を模した物は多い。古くはアルプス電気の「SCKM」、独ZF Electronicsの「Cherry MX Blue」(通称青軸)などがそれに当たる。

 しかし本機で採用されているのは「タイプライター風」な青軸ではなく、一般的なメカニカルキースイッチであるKailh茶軸である。QwerkywriterはクリックタイプのKailh青軸を採用したのに対し、本機がそれを採用しなかったのは残念だ。

●いわゆる「変態」なキー配列

 本機のキー配列は日本語配列を採用しているが、キーレイアウトはかなり変則的になっている。いわゆる「変態配列」と呼ばれるものだ。

 このキーレイアウトは使う人によりかなり評価が別れるだろう。特にこの「¥」キーの位置は、当該キーを多用する人にとっては致命的となりうる。

●廉価ながらも十分「タイプライター風」を味わえる一品

 上記の通り、本機にはいくつかの問題点がある。しかし、各種キーリマップ機能や着脱式のUSBケーブルなど、問題点を補うさまざまな機能と価格から見て、タイプライター風キーボードに興味を持った人であれば「買い」である。

 またここからは筆者の勝手な想像であるが、キーキャップの作りなどから見るに、恐らくQwerkywriterと同じ製造元によって製造されているのではないだろうかと思う。そういう意味でもQwerkywriterに興味を持った人にはおすすめできる一品だ。

最終更新:8月2日(火)6時10分

ITmedia PC USER