ここから本文です

隣県から産業人材確保 県が学生向け企業見学会

福島民報 8月2日(火)11時8分配信

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの産業復興を担う人材確保に向け、福島県は今月から隣県大学の理工系学生らに県内への就職を促す取り組みを始める。無料の会社見学ツアーを催すほか、企業関係者が大学に出向いて技術力をアピールする。ものづくりに関わる若者を呼び込み、浜通りを廃炉や新産業の拠点とする福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の実現に向けた人的な基盤強化につなげる。
 1日に開いた県企業誘致・立地企業振興対策本部会議で明らかにした。県が昨年実施した約2300社への訪問活動で、若手社員の確保や技術継承を懸念する声が相次いだことを受けて対応する。県内出身の学生が多い東北学院大(宮城県)、山形大、新潟大、茨城大、宇都宮大(栃木県)、筑波大(茨城県)などが対象となる。
 無料の会社見学ツアーは今月末から11月末まで12回にわたり実施し、1、2年生を中心に計約120人を県内に招く。県内6地区にそれぞれコースを設定し、日帰りか1泊2日の日程で3、4社を訪問する。航空関連部品や医薬品、小型モーター、カメラレンズなどの製造現場で、国内外に誇る高い技術力に直接触れてもらう。
 大学訪問では各校に県内企業が数社ずつ出向き、学生に対しそれぞれの事業内容や独自の技術などを紹介する。見学ツアー、大学訪問とも参加企業を募集している。
 情報発信も強化し、企業の事業内容や製品、技術力を紹介するホームページも設ける。県ものづくり企業データベースに登録している826社から、掲載を望む企業を公募している。パンフレットも作成し、県内外の就職情報センターなどで配布する。
 県によると、本県の大学進学者の約8割は県外で学び、県内に戻らずに就職するケースが多い。さらに、県内の大学を卒業した約6割が県外で就職しており、県はUターン、Iターンの促進に力を入れる。
 一方、有識者によるイノベーション・コースト構想推進会議で、構想を実現するには高い技術力を持った人材の確保、育成が重要だとする指摘が出ていることも、今回の事業に乗り出す背景にある。
 本部会議で内堀雅雄知事は「福島再生のけん引役は産業だ。全庁を挙げて取り組む」と強調した。

福島民報社

最終更新:8月2日(火)11時13分

福島民報