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日本初の博物館がいいカンジ、新名所として注目

デイリースポーツ 8月2日(火)17時12分配信

 国内外から人気の高い観光地である京都。ことし4月には京都鉄道博物館がオープンし、新名所として注目を集めている。そんな中、6月29日に京都の新たな博物館として誕生したのが「漢字ミュージアム」だ。「漢検」でおなじみの公益財団法人日本漢字能力検定協会の運営で、意外にも漢字をコンセプトにした博物館は日本初。文字を扱う職業に就いた身としては、黙ってはいられない。中学時代に取得した漢検3級止まりの記者が、果敢にも漢字の世界へと潜入した。

 京都らしさがあふれる祇園、八坂神社の“お膝元”で京都市元弥栄中学校跡地に、漢字ミュージアムは開館した。1階は「漢字を見て聴いて触れる」、そして2階は「漢字で遊び楽しみ学べる」と、それぞれテーマに沿って趣向を凝らした展示が目白押し。順路に設置されたスタンプを入館時に手渡される「体験シート」に押すと、万葉仮名やカタカナとひらがなの「もとになった漢字」で自分の名前をつくることができ、スタンプラリーのように楽しめる。また、ディスプレイに映し出された漢字に手をかざすと、そのルーツである甲骨文字が浮かび上がる「踊る甲骨文字テーブル」や、某お笑いコンビがブレイクするきっかけとなった一発ギャグのように自分の体を使って漢字をつくる「体で漢字をつくろう」など、漢字を文字通り“体感”できる。

 加えて、ゲーム性の高い展示も人気が高い。モニターに映し出されている回転すしの皿を選び、そのネタの漢字を当てる「漢字回転すし」や、お題の部首とかるたのカードに書かれている漢字を組み合わせて実際にある漢字をつくるゲーム「部首組み合わせタッチパネルかるた」は、子どもを中心に大人気だ。館内を案内してくださったスタッフの岩橋恭子さんと後者の「かるた」で対戦。存在しない漢字の組み合わせを2度選んで“お手つき”となったことが響き、あえなく完敗となってしまった。さすが漢字のプロ、漢検3級ではかなわないと内心へこみつつ、もうひと勝負!と病みつきやみつきになりそうなクオリティの高さだ。

 「主なターゲットは小中学生とその家族」と岩橋さんが語るように、もちろん大人も楽しめる展示もそろっている。ミュージアム中心部の巨大な柱に漢字がびっしりと刻み込まれている「漢字5万字タワー」には思わず圧倒され、見入ってしまう人も少なくない。「64もの画数の漢字がある」、「漢字にも方言がある」などといったうんちくは大人にとっても興味深いものだ。

 実際に来館者は家族連れが多く、“遊園地は無理でも漢字ミュージアムなら”と孫とのコミュニケーションに希望を持ったシニア世代と見受けられる方も目立った。さらに、海外での漢字人気を裏付けるような出来事も。「オープン初日、来館者の1人目、2人目が外国の方でこちらとしてもびっくりしました」と岩橋さん。初年度は5万人、今後は外国人観光客への対応も強化しつつ、年間20万人の来館者を目指しているという。

 9月29日までは「漢字縁日」と題し、部首の“くにがまえ”を輪の代わりにした輪投げやターゲットの漢字で四字熟語を完成させる射的といった、夏休み中の子どもたちにぴったりな企画展が開催中。10月からは「今年の漢字展」がスタートする予定だ。1995年から毎年12月に発表される「今年の漢字」。清水寺で揮毫(きごう)された“本物”過去20年分が一堂に集結する。ちなみに虎党にとって、03年の「今年の漢字」は必見だ。日々の生活の中で目にしない日はないであろう漢字の魅力を、みなさんも“カンジ”に行ってみませんか?(デイリースポーツ・佐藤敬久)

最終更新:8月2日(火)18時51分

デイリースポーツ