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保育園で失われる幼い命、10年で146人 再発を防ぐために遺族は立ち上がった

BuzzFeed Japan 8/2(火) 5:00配信

こちらを見つめ、無邪気に笑う。ここに写る幼い子どもたち全員が、預けられていた保育施設で亡くなった。

ほとんどのケースが、認可外の施設だ。亡くなった状況や死因など、わからないことばかりだという。

内閣府のデータによると、保育施設で命を落とした子どもたちは、この10年で146人(報告件数)。7割以上が、認可外保育施設だった。

「もう、同じ思いをする人たちを増やしたくない」

愛娘を亡くした母親は、BuzzFeed Newsの取材にそうつぶやいた。
【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

突然奪われた、1歳7ヶ月の命

5年前の2月10日。夕方、さいたま市の勤め先にいた阿部一美さん(37)の携帯が鳴った。長女・美月ちゃんを預けていた保育園からだった。

「昼寝から起こしたら、唇が真っ青で意識がない。救急車を呼びました」

タクシーに飛び乗った。美月ちゃんが運ばれた病院についたのは1時間後。夫と合流するとすぐに、美月ちゃんが亡くなったことを告げられた。

まだ、たったの1歳7カ月。突然のできごとを、飲み込むことができなかった。

「どうしてこうなってしまったのか、わからなかった。パニックでした」

何がなんだかわからないまま、夫とともに警察の事情聴取を受けた。翌日には、司法解剖。「死因は不明だ」と言われた。

自分たちで始めた聞き取り調査

「大切な、一人しかいない娘が亡くなった気持ちの整理はつかなかった。それなのに、保育園はそのままほかの子ども達の預かりを続けていて……。それって、おかしいじゃないですか」

初めて授かった子どもだった。共働きだからと保育園を探していたが、認可保育所は見つからなかった。かろうじてキャンセルが出たのが、市が独自に認定する「ナーサリールーム」(認可外保育施設)。事故の数ヶ月前に、預け始めた。

「亡くなって、告別式も済んで、施設から連絡があると思っていたんです。でも、何もなかった。子どもがきちんと安心して過ごせると思っていた場で突然亡くなり、しかも説明がないなんて、なんで、という気持ちでした」

娘がどうして死んでしまったのか。「知らないといけないと思った」

夫と2人で園に赴き、保育士たちからヒアリングを始めることにした。

最初は全員にまとめて話を聞き、さらに一人ひとりを家に呼んで話を聞いた。証言には、食い違いもあった。口裏を合わせていたのかな、と感じた。

食事もまともに食べられない精神状態のまま、夫と2人きりで調査を続けた。

「いちばん辛い時に、自分たちでこうして動かなきゃいけないの、本当にしんどかった」と振り返る。

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最終更新:8/2(火) 14:15

BuzzFeed Japan

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