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草刈り十字軍 運動に幕 鎌を手に43年 山林守った 成果「次代へ」最後の入山式

日本農業新聞 8月2日(火)7時2分配信

 富山県で始まった「草刈り十字軍」運動が、今夏の活動をもって43年間の歴史に幕を閉じる。全国各地から集うボランティアが合宿生活をしながら、夏山での下草刈りに取り組む。富山市で1日に開いた十字軍入山式では、最後の隊員となる49人がこれまでの活動を振り返り、「有終の美」を飾ることを誓った。10日まで、県内4カ所で森林や竹林の整備に汗を流す。

 草刈り十字軍運動には毎年、山林を守りたいというボランティアが自主的に参加する。夏山で仲間と自炊しながら作業をこなす。参加者は多い年には200人を超え、米国や中国、英国などから参加する人もいた。

 しかし、高齢化などで年々減り、同県で新たに植栽する面積も縮小してきたことから、最後の活動の年とすることが決まった。

 富岩運河環水公園での入山式には、今年の隊員の他、この運動の呼び掛け人であるNPO法人「農業開発技術者協会・農道館草刈り十字軍運動本部」代表の足立原貫さん(86)が出席した。隊員の救護活動・健康管理に当たる富山赤十字病院の岡田芳美看護部長らも駆け付け、十字軍活動にエールを送った。

 草刈り十字軍の取り組みは、県民や行政の後押しもあり、映画になった。足立原さん役を俳優・加藤剛さんが演じ、1997年に公開。当時、JA富山中央会も県産米をプレゼントし、十字軍運動を盛り上げたという。

 当時、担当者として米を贈った富山中央会の山瀬洋明専務は「猛烈な暑さの中、森林に入って草刈りに挑む若者たちの姿に感動したのを覚えている。全国から集まった若者たちに富山のおいしい米を提供し、元気をつけてもらいたかった」と振り返る。

 今年の隊員は、最年少21歳から最高齢80歳までの49人(平均52歳)。うち33人が県外からの参加者で、10日まで富山市や黒部市、射水市、小矢部市の4カ所で、計12.5ヘクタールの下草刈りなどに精を出す。

 足立原さんは「富山では、山林への農薬の空中散布が姿を消すなど運動の成果はあった。43年間にわたり年齢や職業の壁を越えた協力が得られたことはありがたかった。若い世代の人たちが、何らかの形で引き継ぎ、新しく展開していくことを確信している」と感慨深げだ。(早川誠)

<ことば>「草刈り十字軍」運動

 造林地への除草剤の空中散布に反対して1974年に始まり、定着した運動。当時、県立技術短期大学教授だった足立原さんが空中散布の対案として「若者たちによる草刈り」を全国に呼び掛けた。これまで延べ3万3000人を超す人が参加し、1864ヘクタール(延べ面積)の森林の下草を手刈りした。森林ボランティアのパイオニア的存在となっていた。

日本農業新聞

最終更新:8月2日(火)7時2分

日本農業新聞

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