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【ブラジル】女性志願者に「処女テスト」 ブラジリア軍警消防局

サンパウロ新聞 8月2日(火)4時5分配信

 ブラジルの首都では、消防士に志願する女性に対して処女膜の診断書の提出を求めているという。一体どういうことなのか。ニュースサイト「G1」が28日付で伝えた。

 ブラジリア連邦直轄区の消防士採用試験を受験する女性達には、子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)の予防として知られている婦人科検査であるパパニコロウ検査の結果もしくは、処女膜が損傷していない、つまり、まだ「処女」であることを証明する診断書の提出が求められている。その一方で、男性にはこれに類似する要件は課されていない。

 この件について、連邦直轄区軍警察消防局(CBMDF)は声明の中で、これを差別的な措置とは考えておらず、「候補者の身体的および作業的な状態」を評価することが目的であると主張している。

 採用試験委員会は、これが必ず試験結果に影響を及ぼすということはなく、データは秘匿が保たれるとしている。

 委員会は、男性には同様な検査は必要ないとしている。「前立腺検査に関しては、40歳以上の男性に対して医師により勧められる予防的な検査であると知らせている。この年齢は消防局が採用する年齢の上限を超えているが」と、男性志願者に対して前立腺検査を求めていないとしている。男性に対してはHPVや性感染症の検査も求めていない。

 消防局は「試験に追加されたこの要件は候補者の守秘義務に違反しておらず、プライバシーや尊厳、肖像などの権利も侵害していないと理解している。逆に、当局が保持する勤勉さと注意深さを示している。すべては法律と法学、そしてCBMDFのガイドラインと決定に従っている」と正当性を主張している。

 一方、採用試験の専門家ファビオ・シメネス弁護士は、この要件を「残酷な行為」だと見なしている。そして「プライバシーを侵害し、平等の原則を侵し、さらに行政上そして憲法上の原則を侵している。男性に対しても女性に対しても、性別による差別はあってはならないので、差別に関する憲法の原則を侵害している。これまでにも何度か起きており、完全に不道徳的だ。候補者にこうした要求を課すのは違憲だ」と主張している。

 同様の要求は、以前にも疑問視されている。公共弁護局は通報を受けた後、州政府の採用試験の候補者に対する要件を取り除くためにサンパウロ州を訴えている。

 アクレ州の裁判所は2015年に、頭や首、腕の入れ墨など、候補者達に対する様々な禁止事項を盛り込んだ軍警察の採用試験を中止させた。

 また、同年には連邦裁判所が海軍に対し、婚姻者や同棲者、子供のいる候補者の受験を禁止している海軍学校の入学試験の要件を変更するよう命じた。

 ブラジリアの消防局は現在、10月9日に実施される採用試験の受験者を募集している。採用枠は779人、給与は5100~1万1600レアル(約15万3000~34万8000円)だ。

サンパウロ新聞

最終更新:8月2日(火)4時19分

サンパウロ新聞