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鶴見川の「舟運」文化を次代へ 研究団体が活動成果出版

カナロコ by 神奈川新聞 8月2日(火)17時6分配信

鶴見川でかつて荷物を舟で運んだ「舟運」文化を、横浜市港北区側からの視点で掘り起こす活動が一冊にまとまった。研究者は「舟運の恩恵だけでなく、鶴見川からの被害を学ぶことが、港北区の未来像を描くことにつながる」と話す。

 郷土史を研究していた長谷川武明さん(80)が「鶴見川に舟を復活させて、流域の自然や歴史を子どもたちや地域住民に伝えよう」と、2007年に市民団体「鶴見川舟運復活プロジェクト」を結成した。

 活動は(1)和舟づくり(2)乗船体験会や米作りなどのイベント実施(3)舟運や鶴見川流域の調査研究-が3本柱。活動100カ月を記念し、これまでの記録や研究成果をまとめた。

 4編で構成し、「調査研究編」は80ページ以上にわたる。大倉精神文化研究所の平井誠二研究部長(59)は舟運の歴史や暴れ川と呼ばれた鶴見川の特徴を解説。吉川英男さん(77)はかつての船着き場や橋などを描き込んだ「鶴見川舟運歴史マップ」と解説を執筆した。

 和舟づくりでは、08年に「舟運丸」、10年に「たちばな」を完成。大工の武田信治さん(86)は「舟には建物とは違う曲線が多く、自分なりに考えることが必要だった」とその苦労を本に記す。

 「軒の雨だれが途切れずに3時間続くと鶴見川が洪水になる」といった言い伝えも収録。7月に開かれた記念講演会で平井部長は、「記録し残すことで、災害から身を守ることにつながる」と訴えた。

 長谷川さんは「多様な個性を持った会員の思いが詰まった本。多くの人に読んでもらいたい」と話す。

 A4判、218ページ、2千円。申し込み・問い合わせは、長谷川さん電話045(542)3421。

最終更新:8月2日(火)17時6分

カナロコ by 神奈川新聞