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安倍首相の28兆円経済対策、バブル崩壊後から続く長い轍を踏む運命か

Bloomberg 8月1日(月)11時19分配信

28兆円の経済対策で日本経済を再生させようという安倍晋三首相の「大胆な」計画には、先人たちがたどった道筋が待ち受ける。1990年のバブル崩壊以来、日本が財政出動で経済対策を打つのはこれで26回目。その効果には疑問符が付く。

日本は少なくとも1993年以来、毎年補正予算を組んでいる。だが、この追加的な歳出をもってしても6回にわたるリセッション(景気後退)と慢性的なデフレ、債務の膨張と急速な高齢化に見舞われた。日本経済はこれらをいまだ脱却できずにいる。

今回の経済対策について、アナリストの一部からは時間稼ぎにはなるかもしれないとの声が上がっているものの、景気動向を劇的に変えるのに十分だと確信するアナリストはほとんどいない。

過去の例に倣うなら、当初の発表は市場をにぎわすが、追加的な財政出動が日本経済の根本的な問題解決にほとんど役立たないことが実感されるにつれて成長は急速にしぼんでいく。ゴールドマン・サックスによると、1990年以降25回の経済対策を調査したところ、このうち18回で政府の承認後1カ月以内に金融市場は当初の上げを消していた。

安倍首相の経済対策に異論を唱える向きは少なくない。元財務官で昨年まで国際通貨基金(IMF)副専務理事を務めた篠原尚之氏は、すでに国内総生産(GDP)の2倍以上に上っている債務をさらに膨らませるのではなく、減少する労働力や保護産業など難しい構造問題への対処により注力するべきだと主張する。

篠原氏は、日本経済の歴史を見ればこれまで多くの経済対策が繰り返されてきたが、最終的な結果として潜在成長率に大きな影響を与えることはなかったと指摘した。

今回の経済対策を疑う別の理由もある。発表されたうちのどれだけが経済に伝わる新たな支出、いわゆる「真水」なのかをエコノミストらは知りたがっている。

元日本銀行理事の早川英男氏によると、今回の経済対策のうち純粋に新たな支出は28兆円という数字が示すよりもはるかに少ない公算が大きい。

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最終更新:8月1日(月)11時19分

Bloomberg

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