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加賀纏製作を選定保存技術に 金沢市文化財保護審

北國新聞社 8/2(火) 2:56配信

 金沢市文化財保護審議会は1日、選定保存技術に坪野進さん(86)=大手町=の「加賀纏(まとい)製作」、市有形文化財に今枝仁王尊=長土塀1丁目=の「石造金剛(せきぞうこんごう)力(りき)士立像(しりゅうぞう)(吽形(うんぎょう))」をそれぞれ指定するよう市教委に答申した。県の無形民俗文化財「加賀鳶(とび)はしご登り」に欠かせない加賀纏は、坪野さんが唯一の製作者で、金剛力士立像は全国的にも珍しい室町時代の石造仏となる。

 加賀纏は上部の「頭(かしら)」が前田家の家紋である梅の花にかたどられ、全体に金(きん)箔(ぱく)が装飾されていることが特徴となる。坪野さんの家は、藩政期に槍(やり)の製作などを家業としてきた。坪野さんは12代目に当たり、10代目のころから纏の製作を専業としてきた。

 坪野さんは1958(昭和33)年ごろから、製作に携わるようになった。伝統技術に加え、合板や合成下地材の使用など現代技術も取り入れ、県外からも製作や修理の依頼がある。

 選定保存技術は2012年に認定制度が創設され、13年に「金沢伝統箔」が指定されたが、14年に国の選定保存技術に「縁付(えんつけ)金箔製造」として指定を受けた際に選定保存技術から解除されたため、加賀纏製作が唯一の選定保存技術となる。

 石造金剛力士立像は加賀藩2代藩主利長の時代から、前田家の重臣である今枝氏の下屋敷内にあった。現在は「今枝仁王尊」の名で地元住民に親しまれ、奉賛会が保存、管理している。

 高さ166センチの花こう岩製で、表面にミシン目のような穴があり、そこに矢を打ち込んで石を割る「矢穴(やあな)技法」の跡から、15世紀前半の特徴がうかがえる。

 像が伝来した経緯は不明だが、滋賀県竜王町の西光寺跡で、作風や大きさが似通った阿形(あぎょう)の金剛力士立像が確認されており、今枝氏が金沢に持ち込んだと推定されている。

 市指定文化財は選定技術と合わせて計218件となる。今月下旬の市教育委員会議で議決を受け、正式に選定・指定される。

北國新聞社

最終更新:8/2(火) 2:56

北國新聞社