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炭素繊維で工作機械 津田駒が開発着手

北國新聞社 8/2(火) 2:51配信

 津田駒工業(金沢市)は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った工作機械用アタッチメント装置の開発に着手した。CFRPは鉄より強く軽い性質を持つため、高速稼働が可能になる利点がある。同社は本業の繊維機械事業で、炭素繊維複合材加工機を市場投入しており、炭素繊維の活用を自社製品で提案することで、需要の掘り起こしを狙う。

 CFRPを採用したのは、削る対象物をつかんで回転させるアタッチメント「数値制御(NC)傾斜円テーブル」。加工物を取り付ける面板といわれる部品に使った。

 重量は鉄製が48キロに対し、CFRP製は約10キロとなる。軽量化により高速稼働が可能となり、生産性が向上するほか、CFRPの振動吸収性により加工精度の向上が期待できるという。CFRP部品は他の素材と接合が難しいなどの課題があるが、津田駒では技術開発により、加工物を取り付けるための鉄製のネジをCFRPの面板に埋め込み、精度を確保した。

 既に試作機を完成させ、同社のNC傾斜円テーブルを使う顧客の生産現場で実際に使用してもらうフィールドテストに入る。1年かけて性能を検証し、商品化する計画だ。工作機械だけでなく、今後は津田駒の繊維機械の部品にも活用していく考えだ。

 CFRPをめぐっては、日本工作機械工業会が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と連携し、今年度から、CFRP製部品を採用した多軸工作機械の開発に着手している。マザーマシンの性能を決定づけるアタッチメント製品を手掛ける津田駒はこれに先行して1年以上前から開発してきた。

 津田駒が率先してCFRPの活用に動くのは、コンポジット機械への波及効果を期待してのことだ。同社は、炭素繊維を様々な方向から積み重ねてシートを作る積層機などを開発、販売しているが、航空機部品向けで実績を伸ばすものの、開発コストなどの先行投資がかさみ赤字が続いている。

 津田駒工業の坂井一仁執行役員コンポジット機械部長は「炭素繊維の出口を探すことで、機械の採用拡大につなげたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:8/2(火) 2:51

北國新聞社