ここから本文です

政府:「21世紀型インフラ」に10.7兆円、クルーズ船用の港湾整備など

Bloomberg 8月2日(火)18時27分配信

政府がまとめた総額28兆円規模の経済対策の概要が2日、明らかになった。このうち「21世紀型のインフラ整備」は事業規模10.7兆円に上り、2020年の訪日客4000万人を実現するための受け入れ体制を整え、中長期的に成長する基盤を構築する。

発表資料によると、政府は年内をめどに「観光インフラ整備プログラム」を策定。ハード面では大型クルーズ船用の港湾整備、空港駐機場の整備など首都圏・地方空港の機能強化、鉄道駅・バスターミナルなどのバリアフリー化などに取り組む。ソフト面では宿泊施設の容積率の緩和やWiFiの利便性向上、鉄道・バスの多言語環境の整備などを行うとしている。

安倍晋三首相は3月に開催した観光ビジョン構想会議で、観光事業を成長の柱の一つとし、観光先進国の実現に向けまい進すると発言。訪日外国人旅行者数の目標を20年に4000万人、30年には6000万人にすると述べた。今回の対策でも観光を「地方創生の切り札」と位置付ける。

クルーズでの訪日さらに拡大へ

構想会議では、20年に目標とする訪日客4000万人のうち、クルーズ旅客数500万人の実現を目指すとしている。国土交通省の資料によると、15年にクルーズ船による入国客数は、前年の2.7倍となる過去最多の111万6000人だった。クルーズ船は運賃が一般的に飛行機より割安で、中国からの利用が最も多い。

全国クルーズ活性化会議(会長:林文子横浜市長)は先月、国交省に要望書を提出。海外からのクルーズ船が、港湾施設の岸壁が短かったり水深が不足していたり、岸壁施設の強度不足から安全に入港できないなどの問題を解決するよう訴えている。

シティグループ証券の姫野良太アナリストは「経済対策の運輸や観光業界への波及効果は大きい」とみている。訪日客「4000万人目標の達成には、東京、大阪など既存の観光ルートを太くすることでは限界がある。地方の自治体や企業などと連携して、これまでにない柔軟な発想の観光ルートなどを組み合わせて構築する」べきだと述べた。

旅行関連のコンサルタントを行う観光文化研究所の代表、大坪敬史氏は「号令をかける国と自治体や民間の地方金融機関などの意思統一が不十分な部分があり、本当に設備投資の資金を必要としている地方の観光関連企業に資金が回っていないケースもある」と指摘。きめ細かい対応が必要だと述べた。

Kiyotaka Matsuda, Chris Cooper

最終更新:8月2日(火)18時27分

Bloomberg