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文科省「理工系人材育成に関する産学官行動計画」まとめ

リセマム 8月3日(水)15時45分配信

 文部科学省は8月2日、経済産業省との会議における議論を「理工系人材育成に関する産学官行動計画」として取りまとめ、公表した。産業界のニーズと高等教育のマッチングなどのほか、次期学習指導要領改訂において、数学と理科にわたる理数探究科目を設ける考えを示した。

「理工系人材育成に関する産学官行動計画」の項目

 「理工系人材育成に関する産学官行動計画」は、文部科学省と経済産業省が共同開催した「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」における議論をまとめたもの。産業界などのイノベーション創出に不可欠な存在である理工系人材を戦略的に育成する方策について、平成27年5月の設置から9回にわたって円卓会議を行ってきた。

 行動計画では、「産業界のニーズと高等教育のマッチング方策、専門教育の充実」「産業界における博士人材の活躍の促進方策」「理工系人材の裾野拡大、初等中等教育の充実」の3つのテーマについて、平成28年度から重点的に着手すべき取組みを記載している。

 2~3年以内の短期的対応のひとつとして、産業界のニーズの実態調査を行い、調査の結果にもとづき学士・修士・博士それぞれの段階においてマッチングを進めるような取組みを強化する。教育機関に対しては、教養教育・専門的教育の基礎となる教育の充実、分野横断的な教育プログラムなど産業界のニーズを踏まえたカリキュラムの提供を求めた。

 博士課程(後期)終了後の進路が見通せないなどの理由から、優秀な若者が進学しない「博士離れ」の状況が懸念されている。産学共同研究を通じた人材育成の推進、中長期研究インターンシップの普及、「博士課程教育リーディングプログラム」の促進を有効な取組みとしてあげた。

 また、初等中等教育は理工系人材の基礎となるものであり、極めて重要であるとして、大学や企業等による理科実験教室、出前授業や教材開発などの科学技術の魅力を発信する取組みを拡大する。理工系科目に対する学習意欲・関心の向上とともに、キャリアパスの見える化などを通じた職業・進路への興味・関心の喚起を行う。

 次期学習指導要領改訂における理数教育に関しては、知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の育成を図るために、探究的な学習を充実させる方向で検討を引き続き進める。特に高校では、数学と理科にわたる探究的科目として「理数探究基礎(仮称)」「理数探究(仮称)」を新たに設けるとしており、中央教育審議会で引き続き検討していくという。

 文部科学省では、行動計画の実効性を高めるため、関係者への周知を実施する予定。また、毎年度その取組みの進捗状況をフォローアップし、必要に応じて改訂を行うとともに目指すべき指標を設定するなど、取組みを推進する方策を検討・実行していく。

《リセマム 黄金崎綾乃》

最終更新:8月3日(水)15時45分

リセマム