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『Caligula -カリギュラ-』新田恵海さんインタビューネタバレ解放完全版【RePLiCA個別インタビュー第1弾】

ファミ通.com 8月3日(水)12時2分配信

●「『Caligula -カリギュラ-』は“ヤバい”ゲーム」(新田)
 フリューのプレイステーション Vita用完全新作RPG『Caligula -カリギュラ-』。本作で主題歌を務めるのが“RePLiCA”というユニットだ。このユニットの構成メンバーは、作中で“執拗反復(オスティナート)の楽士”としても出演している、中村繪里子さん、新田恵海さん、大坪由佳さんという、“アイドル”を題材にした作品にはうってつけと言っても過言ではない、豪華な3人。その3人へファミ通.comでは個別にインタビューを行った。

 今回は、“オスティナートの楽士”のひとり、スイートP役の新田恵海さんへのインタビューを掲載。本作の企画・原案・ディレクターを務める山中拓也氏の解説も交えながら、3人が歌う本作の主題歌『idolatry -アイドラトリィ-』の魅力や、作品の見どころ、そして自身が演じたキャラクターについて語ってもらった。

 そしてここに掲載する内容は、以前に掲載したこちらの記事で伏せていたキャラクター設定に関する大きなネタバレを開放した内容となっている。ゲームをまだクリアーしていないという人は、これより先は見ないことをオススメする。


「初めてのオジサン役ということで、とても光栄です(笑)」(新田)
■プレイ前とプレイ後で印象の変わる主題歌『idolatry -アイドラトリィ-』
――主題歌の『idolatry -アイドラトリィ-』という楽曲は、どんな楽曲なんでしょうか?

新田 『Caligula -カリギュラ-』を象徴するような主題歌ということで、いろいろな単語が意味深だなぁと思いました。

――確かに一見するだけだと、何のことを言っているのかがわかりにくい歌詞に感じます。

新田 最初に聴いたときは、カッコいいとか、疾走感があるイメージを持ってもらえると思いますが、ゲームを進めていくことで、言葉の意味がわかるようになるんです。そうしたときに、ぞわっとするフレーズがすごくある歌詞ですね。

――いままさに、レコーディングを終えられたところということですが、感想は?

新田 とても楽しかったというのが素直なところです。スイートPちゃんがねっとりしているというか、すごくかわいらしい子なんですけれども、その中にも怖さがあるというか。自分の中でのスイートPを思い浮かべながら収録をしていたんですが、楽しくてどんどんクドくなってしまっていって(笑)。調節しながら歌いました。

――クドくというのは、どんな感じなんでしょう?

新田 そうですね…………、すごくイヤらしいですよね。

――イヤらしい……。新田さんがいままで演じてきたキャラクターの中には、あまりイメージがないキャラクターですね。

新田 確かに、これまでのキャラクターはさわやか系が多かったかもしれないですね。スイートPは、一見、さわやかなんだけど、じつは……みたいなキャラクターです。 

山中 自然にかわいいキャラクターではなくて、かわいくなろうとしてかわいくなっているキャラクターなんです。ある意味、メビウスに対してとても誠実です。

新田 そうですね、作られたかわいさというか。“こうすればかわいい”というのを、過剰にやりすぎている感。

――そういうクドさなんですね。

新田 そうです、異常に甘いマカロンみたいな(笑)。

山中 たぶんそれは、甘いマカロンが好きなのではなくて、“甘いマカロンを食べている自分”が好きなんですよね。その違いを新田さんには見事に演じていただいています。

新田 かわいさにとり憑かれているという感覚ですね。

山中 それがないと死ぬんです。かわいくないと。

新田 かわいくないと死ぬ(笑)。

――新しいキャッチコピーが生まれましたね(笑)。

新田 はい、かわいくないと死にます(笑)。

――『idolatry -アイドラトリィ-』で聴いてほしいポイントは?

新田 レコーディング時にこだわったフレーズに“ホリック”という単語があるんですけれど、それがスイートPちゃんにとって“かわいい”ということだったり、いろいろな意味合いを持つんです。この歌を歌っている3人それぞれが、何かにとり憑かれているというか、表とは違う裏の顔があるんですが、そういう裏側が見える歌になっています。だから、「これってどういう意味なんだろう?」と感じることが多いと思います。ぜひ、深く考察してほしいですね。思う存分深読みしてください。歌詞に「深の深のほうで」というフレーズがあるのですが、どんどんいっしょにハマってもらいたいなと思います。いっしょに堕ちてほしいという気持ちを込めて歌いました(笑)。ぜひくり返し聴いていただきたいですし、ゲームといっしょに楽しんでほしいですね。

――作品の核になる部分を歌っているものの、ゲームをプレイしていないとわからないということですか?

新田 私はこの歌を最初聞いたとき、惹き込まれるのではなく、引きずり込まれる感覚になりました。ズブズブとハマっていく感覚を覚えていて。私の演じるスイートPちゃんも、そういう役目というか。相手をハメていく、抜け出せなくしちゃうみたいなキャラクターなんです。そういう部分をすごく意識しましたし、やっぱり歌っている3人の役割的にも、スイートPちゃんはそういうキャラクターだと思うので、本当に引きずり込めたらいいなと思いますね。

――なるほど(笑)。3人それぞれに歌われていますが、けっこう個性がバラバラな感じなんでしょうか?

新田 そうですね。私はふたり目のレコーディングだったので、繪里子さんのカッコいい歌を聴きながら収録したんですけれども、そのなかでキャラクターを出しすぎずに3人の歌として成立させるようにというところを考えながらレコーディングをしました。

――今回、この作品で中村さん、新田さん、大坪さんの3人によるRePLiCAというユニットが結成されましたが、初めてそのお話を聞いたときはどんな印象でしたか?

新田 「おぉー! 楽しそう!」と思いました(笑)。

――中村さんとは別作品のコラボなどでごいっしょしたりしていますけれども、大坪さんとは?

新田 作品でごいっしょすることはありましたが、相談しながら何かを作るということはいままでなかったので、どうなるか楽しみにしていますね。繪里子さんとはプライベートでも仲よくしてもらっています。で、なかなかふだん私たちがやらない役を、お互いにやれるということで、すごく新鮮だなと思っております。

■スイートPは大事にしていきたいキャラクター
――『Caligula -カリギュラ-』という作品に対しての印象をぜひお聞かせください。

新田 えー、いいんですか? 私は『Caligula -カリギュラ-』に対して、この言葉しか出てこないんですけれども……、「ヤバいなー!」って思うんですよね(笑)。本当にいろいろな意味でヤバい作品だと思っています。楽しそうという思いもあれば、いろいろな沼にハマるというか。プレイしている方々のなかでも、他人ごととは思えないような描写がすごくあるんじゃないか、と思うんですよね。私もキャラクターを見ているだけでも、ハッとするような、ゾワッとするような部分がすごくあったので。皆さんもぜひ、ゾクゾク感を感じてほしいですし、その世界にいるだけではなく、自分の生きかたというものを、結果として見つけられたらいいのかな、と思います。もちろんすごく楽しいと思うんですけれども、そこから抜け出せなくならないようにしてほしいです(笑)。すごくハマってほしいんですけれども……このゲームをやって現実に戻ってこられますかね? 大丈夫ですか?

山中 踏み込んではいけないものほど、踏み込みたくなるんです。作り手としては抜け出せないくらいプレイしてほしいですね。

新田 そうですよねー……。抜け出せないかもしれませんが……。アラームとかセットして時間を決めてプレイするとか! 学校は休まないとか!(笑) 本当にふつうに生きている人たちが、いけないことだと思っていることにすごく踏み込んでいってしまうお話なので、私もとても楽しみです。私も触ってはいけないと言われると、つい触りたくなってしまうタイプなんですよ。いけない部分というか、抑え込んでいるものをすごく刺激される作品になっているので、ぜひ皆さんにはゾクゾクしてほしいですね。

――ヤバいゲームですね……。

新田 本当にいろいろな意味でヤバいゲームです。でも現実に帰ってきてください(笑)。

――新田さんが演じられたスイートPというキャラクターは、どんなキャラクターなんでしょう?

新田 『Caligula -カリギュラ-』の世界の中で、“ゆめかわいい”というジャンルを確立した、“オシャレ”や“かわいい”ことのカリスマ的な存在です。ですが、リアルではアブラマシマシなラーメンが大好きな……ぽっちゃりというか……はっきり言うと、現実では太った男性なんです(笑)。たぶん、ハフハフしてて、すごく汗かいちゃうような。でも、自分はかわいいものがすごく好きで、かわいい女の子の格好をしたりするのが大好きで。それは自分でいけないことだとわかっていながらも、好きな気持ちは否定できないし、やめられない。そういった葛藤を抱えながらも、“メビウス”という自分が見つけた聖域で、絶対的な地位を獲得してしまう。気持ちいいと思いながらも、どこか自分の中で「これは現実ではない」とわかっているから、“油ギッシュ”などのワードが出たりすると突然キレちゃったりするんですね。なので、嘘くさいかわいさと、油フトメンみたいな二面性を演じていて、自分のスイッチの切り換えかたを考えながら演じましたね。

山中 ふだんのスイートPの声がかわいい系なので、キレて豹変したところのギャップは、僕自身も楽しみだった部分でしたね。かわいい女の子のスイートPに太ったおじさんが宿った瞬間を見ました。

新田 言葉遣いも悪くなりますからね。ふだん“かわいい”を演じているので、ねっとりしゃべるというか、全部の語尾に小さい母音がつく感じですね。「だめですよぉ~」みたいな、ウネったようなクドさというか(笑)。こっちは砂糖マシマシな感じなので(笑)。

――それはかなり、両極端な演じ分けが必要に思えるのですが……。

新田 でも、どっちにも振り切れる機会ってふつうに生きていたらなかなかないので楽しかったです。ガチギレするところも、「うー……、イライラするー!」という感じではなくて、オッサンとしてキレるっていう(笑)。私自身も、新しい扉を開いたな、という感じはしましたね。

山中 女性として怒っているわけではないですからね。男性として怒っているけど、ふだん演じているのは“男性がかわいいと思う女性”なので。

新田 かわいく見えていていいんですが、そこに胡散臭さをしっかりと混ぜたくて。

山中 だから、スイートPのことを男性が「かわいい!」と思って、女性が「嫌い!」と思ったら正解です(笑)。

――演じかたとしては、男性を演じながら、その男性が演じている女の子を演じると。複雑な構造ですね(笑)。

新田 そうなんですよ。結果としては男性を演じていることになるんです。初めてのオジサン役ということで、とても光栄です(笑)。この作品に関わるようになってから、油コッテリ系ラーメン屋さんの前を通ると、ついスイートPちゃんのリアルを探してしまう自分がいますね。「……彼かもしれない!」って(笑)。

山中 たとえば街で見かける太ったおじさんが、ネットではかわいいハンドルネームで、かわいいサイトにアクセスしているのかもしれないみたいな。このゲームを通じて、本来見えない部分を想像するきっかけになるとうれしいです。

――現代においては、実際にいてもおかしくないパターンですからね。

新田 でも、それは決して悪いことではないじゃないですか。自分の中で背徳感を感じてしまって、うまく消化できないでいるから、“メビウス”の中でスイートPちゃんを演じていて。でも、そうしてしまうことで、どんどんリアルと精神が離れていっちゃうんですよね。そこに空いてしまった隙間を、“ヤバい”とか“怖い”と感じてもらえると思います。自分の中のドロドロした部分を“キモい”ではなく、“気持ち悪い”感じで表現しました。その気持ち悪さが、演じているとすごく気持ちよくて。私の中でも、表と裏というのが、すごくグチャグチャしている状態で演じましたね。でも、すごく楽しかったですね。私の中のオジサンも芽生えたことですし、大事にしていきたいです(笑)。

――本作は作品の中でアイドル=神という存在になっていますが、新田さんにとってのアイドルとはどういう存在ですか?

新田 メビウスの中でも、現実の世界でもそうですが、“人に夢を与える存在”ですね。でも、その夢の形というのがそれぞれ違っていると思います。“メビウス”は、意識の中でしか存在しなかったものを夢として叶えられる場所で、それを許してくれる存在がアイドルなんだと思います。それがプラスに作用したときは、アイドルががんばってる姿を見て「がんばろう!」と思いますが、それをこじらせていくと「私もああいう、神のような存在になりたい……」と思ってしまう。“アイドルを描く”という意味でも、『Caligula -カリギュラ-』は闇に寄っていると思います。だから、この作品で私が演じているアイドル像は、さわやかではないほうですね。ギトギトしています! ギトギト系アイドルです(笑)。

山中 本作では、リアルな姿をユーザーさんが絶対に見ることはないんです。たぶん、ユーザーさんはスイートPちゃんのことを見た目と声で好きになってくれる方もいると思うのですが、裏側に隠された事実がわかったときに、どんな姿の彼を想像するのかは、気になりますね。

新田 確かに、それは楽しみですね! 私の中では、けっこうな油分と体積を想像していたので。

山中 事実を知ってもスイートPを好きでいられるかというのは、課題になってきますよね。きっと事実を知った後にもう一度見ると、スイートPの言動の見えかたも変わってくると思います。もちろん共感という意味でもっと深く好きになってくれる方もいると思います。

新田 本当の姿を知って、「こんな私でも好きになってくれる?」みたいな。現実でもありえる課題にも思えます。試されていますよね、ユーザーの皆さんも(笑)。でも、愛してほしいなぁ……。だって、スイートPちゃんになってしまうくらい、自分を否定しちゃっているギトギトくんも、私はかわいいと思うんですよね。私はギトギトくんが、リアルでがんばる決意をしてくれるなら応援したいです。

■壮絶な青春時代と中二病
――この作品は中二病要素の強い作品とのことなので、ぜひ新田さんの中二病エピソードがあれば教えてください。

新田 数多くありますよ、どこから話せばいいでしょう(笑)。たとえば、小学校6年生くらいまでは、だいたい太陽の光や風とか、木々と会話していましたね。

――いきなり、ヤバいのが来ましたね!(笑)

新田 こう、春風が吹くと「くすぐったい♪」みたいな感じで、けっこうこじらせていました(笑)。

――ちなみに、太陽の光とはどんな会話を……?

新田 「今日もありがとう♪」みたいな(笑)。そんな感じでしたね。あと妄想の世界に生きることが多くて。いけないことだと思いながらも、やってみたいってことってあるじゃないですか。たとえば、くだらないんですけど「授業中に私が大声を出して、立ち上がったらどうなるんだろう?」とか。そういうことをドキドキしながら妄想して1時限過ごすとか(笑)。

山中 とても『Caligula -カリギュラ-』的な話題ですね(笑)。

新田 はい(笑)。そういうことをよく考えていましたね。ただ、「天候を操れるかもしれない」と思っていた程度で、右手が疼いたりはしなかったです!

――右手が疼くより、天候が操れるほうがレベルが低い設定なんですね(笑)。ちなみに、新田さんは何を操れるんですか?

新田 私は木の声が聞こえると思っていました。学校の掃除中とかも不思議な子だと思われていたんじゃないですかね。落ち葉を集めていても、ずっと木に触れてるみたいな(笑)。

――(笑)。最近は木と会話することはないんですか?

新田 最近はなかなか聞こえないですね(笑)。

――大人になっちゃいましたね(笑)。

新田 そうですね(笑)。私自身は、わりと激しい青春時代を過ごしてきたと思うんです。反抗期もありましたし。

――最近、Twitterで新田さんが親と喧嘩しすぎ、という話題を見かけました。

新田 ああ、あれですか?(笑) お父さんと喧嘩したときは、まず自分の部屋にウサギ小屋の鍵を自分で付けて、籠城していたんですが、ある日お父さんがドアを蹴り破って入ってきて……。「やばい!」と思って、2階の窓から屋根を伝って降りて、裸足のまま逃げたことがありました。ほかにも、お母さんと喧嘩して、「もうヤダ!」と言って、ギターを持って最終バスに乗って家を出て……。

山中 尾崎豊ですねぇ……(笑)。

新田 そうですね(笑)。そのまま冬の長野の駅前で、-5℃の気温の中、一夜を過ごすとか。なんか青春でしたね。でも、だからこそ、この作品のモヤモヤが他人ごとじゃないというか。ちゃんと、現実に帰ってこれてよかったなと思いますね(笑)。

――バトルシーンでは、各キャラクターの楽曲が流れるとのことですが、スイートPの曲は聴かれましたか?

新田 聴きました! かなりファンシーで、かわいい曲だなと。それゆえに、「気持ち悪い!」とも思いました(笑)。

山中 どんな人が作っているのかと思うとね(笑)。曲を聴いて、どんな人が作っているんだろうと、その姿まで想像するギミックって、ゲームではあまりないですよね。ゲームの戦闘のために作られた曲ではなく、スイートPが自己表現のために作った曲なので……その中で戦闘が行われるというのは、テストプレイしていてもトリップする感覚があります。

新田 そうなんですよね。映像や音声の情報から入ってくる世界観は、すごくかわいくて。本当にもう夢の中にいるような、おとぎ話のような世界なんですけれども、裏を知ってしまっているからこそ感じる、歪みというのを感じます。だから、一度ゲームをクリアーした後だと、曲の感じかたが大きく変わると思いますね。

――なるほど。それでは最後に、読者の皆さんにへひと言メッセージをお願いします。

新田 この『Caligula -カリギュラ-』という作品は、私もただならぬ気持ちで関わらせていただいいております(笑)。皆さんの心の、禁断の扉を、もしかしたら開けてしまうかもしれません。でも、自分の中の深い部分と、しっかりと向き合って、どっぷりとハマってほしいなと思います。ストーリーをひと通り見たら、自分の中にも感じるところがあると思うので、ぜひ皆さんなりの思いを持っていただければと思います。ぜひ楽しんでプレイしてください♪

Caligula -カリギュラ-
メーカー:フリュー
対応機種:PlayStation Vita
発売日:2016年6月23日発売
価格:6980円[税抜](7538円[税込])
ジャンル:RPG

最終更新:8月3日(水)12時2分

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