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『ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた!?』ゼビウスの全容が明らかになるのは……「いまか」!?

ファミ通.com 8月3日(水)12時2分配信

文:ライター 戸塚伎一

●野心的なゲームのありかた
 テレビゲームが、限定的なシチュエーションを目一杯楽しむアトラクションから、その背景にある世界観も含めて味わう、総合的な表現物に発展する過渡期の代表作である『ゼビウス』。そのゲーム世界を斜め見下ろし視点のボクセルグラフィックで再現し、さまざまな要素を追加した新モード“パワーアップモード”をメインに据えたのが、本作です。
 
 操作法がスマートフォン用に最適化されているものの、本気で仕留めにくる挙動の敵が多数登場するゲームバランスは、おおいに人を選びます。もし本作が、『ゼビウス』の表層を借りただけのゲームだったら、私は挫けていたかもしれません。しかしそうならず、パワーアップモードをクリアーすると出現する、新たなゲームモードまでやり込んでいるのは本作が、『ゼビウス』の世界設定を遵守しつつ、残された謎に独自解明を加え、それをゲームプレイの流れで魅力的に表現しているからです。プロが本気で取り組んだ二次創作……というと語弊がありますが、これもまた野心的なゲームのありかたと言えるでしょう。

■舞台は未知の領域に拡大
 横幅が広くとられた地上マップの、表示位置をずらしてスクロールさせることで、ステージ背景のバリエーションとしていた、オリジナル版『ゼビウス』。本作では、元マップの左右両端に新たな地形が追加されている。

▼後半のステージの驚愕の展開に刮目せよ!


ゲーム史に燦然と輝く名作
『ゼビウス』のおさらい

 ソルバルウ(自機)を操作して、超意識体“ガンプ”が制御するゼビウス軍と戦いをくり広げる、全16エリアの縦スクロールシューティングゲーム。物語性を想起させる、細密かつ色鮮やかなグラフィックは、1982年のアーケード版リリース時から、多くのゲーマーを魅了した。ソルやスペシャルフラッグといった、とくに目印のない特定地点の地上を攻撃すると出現する“隠しキャラ”の存在も、本作の神秘性を高めていた。

原作のだいたいの雰囲気は
アーケードモードで味わうべし

 アーケードモードでは、斜め見下ろし視点はそのままに、オリジナル版に近い環境でのプレイが可能。オリジナル版ではプレイヤーの行動に応じて変化した敵の出現パターンが固定化されているなど、細かい部分での違いがある。

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■本作の正式リースを実現した“カタログIPオープン化プロジェクト”のおさらい
 バンダイナムコエンターテインメントがこれまでに展開してきたオリジナルIPを“カタログIP”として日本国内のクリエイターに開放し、デジタルコンテンツ産業の活性化を促すプロジェクト。7月現在の対象タイトルは『パックマン』、『ゼビウス』、『塊魂』など計21タイトル。プロジェクトの参加受け付けは、2018年3月末までとなっている。

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■開発者インタビュー 石井精一氏「自分なりの解釈の『ゼビウス』を……
――バンダイナムコエンターテインメントのカタログIPオープン化プロジェクトに参加した経緯を教えてください。

石井精一氏(以下、石井) ドリームファクトリーは現在、オリジナルの格闘アクションゲームを開発中です。そのツール作りが長引く中で、ほかにもできることはないかといろいろな方向性を探っていたところ、ちょうどカタログIPオープン化プロジェクトが発表され、とてもいいテーマが見つかったと思ったことがきっかけです。

――制作の流れを教えてください。

石井 2015年8月に企画書をバンダイナムコエンターテインメントさんに提出し、同9月に企画が承認されてから、本格的に開発をスタートしました。開発メンバーは、僕ひとりです。4ヵ月間で大枠を完成させてから、他業務と並行しながらぼちぼち調整しました。サウンドのみ、外部スタッフに「なるべく懐かしいような感じに」とこだわって依頼しました。

――代表みずからの、ひとり開発タイトルでしたか! カタログIPの中から『ゼビウス』を選んだ理由は?

石井 僕自身、子どものころにナムコのアーケードゲームが好きで、よくプレイしていました。中でも一番遊んだのが、『マッピー』、『パックマン』……そしていちばんインパクトがあったのが、『ゼビウス』でした。そこで、“自分なりの解釈で『ゼビウス』を作ってみたい“という欲求をもとに、オリジナル版のマップの両サイドを作ることを、まず考えました。

――追加マップや新たな敵が登場する“パワーアップモード”に、石井さんの『ゼビウス』観がこめられている……ということでしょうか。

石井 そうですね。もともと劇場アニメの『伝説巨神イデオン 発動篇』が好きだったのですが、作中に登場するイデ(エネルギー)と、『ゼビウス』のガンプには、通じるものがある印象をずっと持っていました。そして、具体的にイデとガンプのイメージを絡めて考えたとき、そうか、こうだったのか! と答えが出ました。本作のタイトルは、そのときにつぶやいたひと言をそのまま使っています。

――そうだったんですね。タイトルは『スーパーゼビウス ガンプの謎』(1986年発売のファミコンソフト)へのアンサーかと、勝手に思っていました。

石井 『スーパーゼビウス ガンプの謎』はカタログIP入っていないので、内容面でもあえてつながりを持たせていません。正直、このタイトルが承認されるとは思っていませんでした(笑)。

――話を戻すと、パワーアップモード後半で登場する、黒一色のヒト型のキャラクターが異質で、印象的でした。小さな人々が大きな人から逃げ惑っているようにも見えるシーンに、石井さんが解き明かしたガンプの謎の“核心”があるのでしょうか?

石井 黒い人々は、ガンプから漏れてくる意思が具現化したもので、「古代文明人が作ったガンプが暴走し、その制御下にあった巨人が人々を襲い、文明を破壊した」という過去が再現されているイメージです。古代人の意思が詰まった最終ボスと戦うエリア16は、(『伝説巨神イデオン 発動篇』の)イデ発動の総力戦をイメージして作っています。ストーリーの結末としては、ボスの崩壊によって本当にすべてなくなったのかはまだわからない……という設定です。

――なるほど……当時のゲームやアニメをリアルタイムに触れた人々のミームに根ざした世界観を感じます。

石井 実際、『ゼビウス』に影響を受けた人はたくさんいると思います。本作はあくまでも、アーケード版の二次創作として作っているので、僕なりに「ガンプとは何か」を考えた結果を表現しています。ゲーム化の際には、エリア間に、謎や謎についての説明を表示するかどうか悩みましたが、けっきょくやめました。本作で謎が解けたか解けていないかは、プレイした皆さんにそれぞれ解釈してもらった方が『ゼビウス』らしいと思っています。

――そのほか、シューティングゲームとしてオリジナル版から意図的に変えている部分について教えてください。

石井 敵の出現パターンは、オリジナル版を再現したアーケードモードでも固定です(※オリジナル版は、レーダー機能を持った敵の破壊状況などによって、敵の出現パターンが随時変化する)。ほかのモードでストーリー性を持たせたかったための処置です。あとは、シオナイト(オリジナル版では演出的に登場する友軍機)に新しい機能を持たせたことと、バキュラ(回転しながら飛来する、板状の敵)を壊せるようにしたことですね。

――ゲーム攻略に関する情報、ヒントを教えてください。

石井 パワーアップモードは、シオナイトをうまく使って、敵の攻撃をかわすことが必須です。ソルバルウ以外の自機(カタログIP『ギャラクシアン』の自機“ギャラクシップ”と、同『ギャラガ』の自機“ファイター”)は性能面に一長一短があります。そこはお好みで選んで楽しんでください。ちなみに、隠されているソルの総数は42、スペシャルフラッグは4つです。あと、パワーアップモードのエリア16をクリアーすると、もうひとつのゲームモードが出現します。

――“ゼビウス軍vsソルバルウ隊”ですね。アイテムを取って、ソルバルウ編隊を作っていけるのが楽しいのですが……難しいです!(笑) このモードで新たに選択できるようになる自機には、驚きました。

石井 ある意味、本作中で最強のキャラかもしれません。ぜひやりこんでみてください。

――最後に、リリースしてみての感想を教えてください。

石井 斜め視点が苦手な方が予想以上にたくさんいたことに驚きました。現在、オリジナルに近い見下ろし視点モードを追加するアップデートを考えています。昔のゲームに関しては、プラスアルファの要素を加えて復刻してみたいタイトルがたくさんあるので、各社がIPをオープン化してくれるとうれしいですね。そうなることで、ゲーム業界がよりおもしろくなると思います。あと、バンダイナムコエンターテインメントさんにはぜひ、『鉄拳』もカタログIPに加えていただきたいですね (笑)。

ゼビウス ガンプの謎はすべて解けた!?
メーカー:ドリームファクトリー
対応機種:iPhone/iPod touch / Android
発売日:配信中
価格:600円[税込]/無料
ジャンル:シューティング

最終更新:8月3日(水)12時2分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。