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Kindle Unlimited、試してわかった「流行る理由」

ITmedia ニュース 8月3日(水)14時41分配信

 Amazonはまだまだ黒船商売を続ける模様で、その最新版がKindle Unlimited。前々から噂されたり、カテゴリーが一瞬だけ見えたりしていた、月額980円で対象の電子書籍を制限なしで読めるサービス。それが8月3日午前4時に正式オープンした。さっそく使ってみたので、そのインプレッションを報告する。

【Kindle Unlimitedで読めるニューズウィークPokemon GO特集の画像】

●実際に調べてわかった「偏り」

 まずラインアップだが、発表会ではおおまかなところしか明かしていなかったので調べてみた。

 Amazonのほかのカテゴリーと同じく、Kindle Unlimitedは迷うようにできている。このため、特定のタイトルやジャンルで自分が読みたいものがあるかどうかは見つけにくい。

 AmazonのFAQでは次のように説明している:

どのようにKindle Unlimited 対象の本を探すことができますか?

A: 普段お使いいただいているKindle本ストアからいつでも探すことが可能です。『Kindle Unlimited』アイコンがついた本を探して、『今すぐ読む』をクリックするだけで、すぐに読書が可能です。

人気のタイトルやおすすめなど、Kindle Unlimited:読み放題ストアもしくは全てのジャンルを見るからお好きな本をお探しください。

 自分が最初にやったのは、出版社別のタイトル数を調べること。 和書の全13万9644冊中、1カ月以内の新刊は2261冊。

 出版社別リスト「Kindle Unlimited:読み放題 ジャンル:出版社」を見ると、出版社がそれぞれ何冊ずつ提供しているかがわかる。

 好きなカテゴリーと出版社が結びついている場合、例えばSFと推理なら東京創元社をとたどっていけば目的は達成できる。

 自分がKindle Unlimitedで一番利用したい、コミックスに絞った場合の対応状況も調べてみた。カテゴリーにはかなりの偏りがあり、少年コミックは数が少なくて、桑田次郎とたがみよしひさがメイン作家といった具合だ。少年誌を抱える大手出版社がまだ様子見だからなのだろう。

 出版社別でみると、日本文芸社、一迅社、白泉社、竹書房、双葉社は相当にコミットしているようで点数が多い。自分は白泉社の少女漫画ファンなのでこれはうれしい。一方で、講談社、小学館はなかよく3冊ずつ、集英社はそもそも参加していない。ラインアップへの影響はこれが大きい。

 Kindle Unlimitedでベストセラーに入っている「青い花」はシリーズの1巻のみ。このパターンはけっこうある。試し読み的な位置づけだろう。フルで読めるコミックスのシリーズもあるのだが、そうか、そうでないかの判断は難しい。

 Kindle Unlimitedを活用し、シリーズでまとめて読みたいタイトルを探したい場合にはどうするか。Kindle Unlimitedの作家ごとのページに行くのが正しいように思われる。「Kindle Unlimited:読み放題 ジャンル:コミック:著者」から目的の著者とその冊数をチェックしてみた。

 コミックスの著者は34ページもあるので大変だが、それもまた発見になる。目的の著者がわかっていれば、画面中央の検索窓でインクリメンタルサーチができるので便利だ。

 里中満智子118冊、竹宮惠子97冊、池田理代子83冊、川原泉13冊、多田かおる67冊。水樹和佳子「イティハーサ」は15巻までそろっているのでぜひ読み返したい。手塚治虫は全35冊で「火の鳥」は5巻まで。シリーズ全5巻がそろっている「アドルフに告ぐ」はKindleまとめ買いで1460円なのだ。これもお得。

 調子にのってどんどん登録していくと、警告が出た。

 Kindle Unlimitedで同時に利用できるのは10冊まで、新規に追加しようとすると、「Kindle Unlimited本は10冊まで同時に利用できますが、現在10冊に達しています。他のKindle Unlimited本を利用するには、現在利用中のいずれかの本の利用を終了する必要があります」という警告がでる。

 Kindleは「コンテンツと端末の管理」というところで購入した本の削除などの管理を行うが、無料書籍・雑誌の場合には「削除」ができない仕組みになっており、Kindle Unlimitedで登録した本はこれに該当する。どうするかというと、該当するタイトルの左にあるアクションボタンをクリックし、ポップアップするメニューから「この本の利用を終了」を選択するのだ。

 けっこうめんどうなので、「Kindle Unlimitedで積ん読は10冊まで」と心に刻み込んだ。

●実はアダルトで普及する?

 Kindle Unlimitedをカテゴリー別にみると興味深いことがわかる。アダルトが圧倒的に多いのだ。カテゴリーでいうと、文学・評論の1万9808冊に次ぐ1万8629冊。ノベルからコミックス、雑誌まで幅広くカバーされているようなので、月額980円読み放題は、そこから火がつくと想像できる。これは流行る。

 Kindle Unlimitedは最初の30日間は無料で利用でき、雑誌のラインアップもそれなりにある。直近30日間で192冊。dマガジンほどではないけどメジャーな雑誌もいくつかある。そしてKindle Unlimited全体では145万825冊。洋書は圧倒的な128万2611冊、そのうち英語は108万9122冊だ。SFだけで3万6250冊もある。

 洋書はKindle Unlimitedから直接行けない。いったんKindleストアの洋書に行ってから、読み放題対象で絞り込み「Kindleストア : Kindle洋書 : 読み放題対象タイトル」を選ぶ必要がある。和書は「Kindle本」、洋書は「Kindle洋書」と分かれているのが原因だ。

 そして隠れベストセラーであろうアダルト。

 表向きは「ニューズウィーク」を毎週買うこと考えたらずっとお得だよ、とか言い訳しておくといいかもしれない。ちょうどPokemon GO特集号なので。

 ふと自分のKindleライブラリを見てみたら、Unlimited以前に4冊積ん読があった。紙を含めるとさらに……。自分にKindle Unlimitedを使う資格があるかどうか、30日考えたうえで結論を出したい。

最終更新:8月3日(水)18時9分

ITmedia ニュース