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<話題>日銀のETF6兆円への買い入れ増額は株式市場に好材料

モーニングスター 8月3日(水)8時58分配信

 日銀は7月28-29日の金融政策決定会合で、質的金融緩和としてETF(上場投資信託)の買い入れ額を年間3兆3000億円から6兆円にほぼ倍増させると発表した。

 年間3000億円としている企業支援ETF買い入れを除けば、日銀のETF買いは経験則から前場のTOPIX(東証株価指数)終値が0.5%安以下ではないかと考えられている。ただ、直近でも0.2%安(7月7日)で買い入れたことがある一方、0.4%安(7月29日)で買い入れなかった日があるなど「本当にこの基準なのか疑わしく感じるときはある」(外資系証券トレーダー)ようだが、それでも前場のTOPIXがマイナスで引けたときに買い入れる可能性が高まるのは間違いない。

 日銀はどのようにETFを買い入れているのか。日銀はETFとREIT(不動産投資信託)の買い入れを三井住友信託銀行に委託している。買い入れは実際に場でETFを買い付けるのではなく、「買い発注を受けた証券会社があらかじめ先物ショート/ETFロングで保有していたETFポジションを後場の時間VWAP(売買高加重平均価格)で購入させ、さらに先物ショート分を後場に巻き戻させることで市場に先物買いのインパクトを与え、いわゆるPKO効果を出す」(同)という。

 日銀のETF買いは東証の1日の売買代金2兆円前後に対し、現在350億円程度と一見インパクトが低いように見える。もっとも年間で見ると売りがほとんどない純粋な6兆円の買い越しは決して軽視できる金額ではない。今回の買い入れ額倍増で1日当たりの購入額を350億円から700億円に倍増するのか、購入基準を緩和しより購入頻度を上げるのかは定かでないが、インパクトはより大きくなった。

 日銀は8月1日時点で年初からすでにETFを1兆8456億円買い入れた。買い入れた巨額のETFを今後どうするのか、大きな需給面の懸念を与えるのではないかという出口戦略の問題は残るが、ひとまず株式市場にとってプラスなのは確かだ。

(モーニングスター 8月 2日配信記事)

最終更新:8月3日(水)8時58分

モーニングスター