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子どものやる気をくじかず、適切に行動できるように促すコツ

ベネッセ 教育情報サイト 8月3日(水)12時1分配信

ある小学校でのある日の出来事です。放課後、1年生の子どもたちがあわてて、先生を呼びにきました。「先生! A君がうるさいです! 怖いです!」。驚いてかけつけてみると、A君が傘で黒板をバンバン叩いています。これはいったいどういうことでしょう? このような行動は今回が初めてです。周りの子どもたちもびっくりしています。さて、この場面で、A君にどう対応しますか?

子どもの「意図」を確認する

「何してるの? やめなさい!」
「黒板は叩くものじゃありません!」

まず、注意をしたくなります。そりゃあそうです。今度は、こちらに向かって、傘を振り回されでもしたら、非常に危険です。ところが、この先生は、とっさにこう思ったそうです。「この子のこの行動の背景には何があるのだろう?」。

そこで、A君にかけた最初の言葉は、
「どうしたの? 叩いているのはどういう意味?」
詰問調ではなく、穏やかなトーンで質問しました。すると、A君からはまったく思いがけない答えが返ってきたのです。
「先生のマネしてる!」
「え? 先生のマネ?」
「授業中、棒でこうしてる」

なるほど! そういうことか。どうやら、授業時間に、指示棒を使って説明する先生になりきっていたようです。
「どうして、マネしようと思ったの?」
「大きくなったら、先生になりたいから!」
聴いてみないとわからないものです。別に、むしゃくしゃして暴れていたわけでも、みんなを怖がらせたいわけでもなかったようです。

一見、問題行動と思える子どもの言動を、その背景にある理由も聴かずに、いきなり叱責したら、どうなるでしょう? 行動はいったん改善されるかもしれませんが、「わかってもらえない」という不信感や未完了感を残してしまわないでしょうか。こうした体験を繰り返すうちに、子どものやる気やチャレンジ精神が失われていっていることはないでしょうか。子どもの「意図」を理解しようする姿勢は、子どもの心や可能性を開くきっかけになり得ます。表面に見えているものだけで、すぐに注意をするのではなく、「意図」を確認したこの先生の対応はすばらしいなと思いました。

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最終更新:8月3日(水)12時1分

ベネッセ 教育情報サイト