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火事でもないのに消防車? その背景にある「事情」とは

乗りものニュース 8月3日(水)7時0分配信

救急出動増加で「PA連携」進む

「消防車がサイレンを鳴らしながら駆け付けてきたものの、周囲に火や煙が上がっている建物はない」。そんな場面に出食わしたことはありませんか。実は、消防車が火事以外の理由で出動するケースがあるのです。

 平成27年版『消防白書』によるとこの10年で、全国の出火件数は5万7460件(2005年)から4万3741件(2014年)に減少。一方で、救急車の出動件数は527万7936件(2005年)から598万4921件(2014年)に増加するとともに、救急車を呼んでから現場に到着するまでの時間が6.5分(2005年)から8.6分(2014年)に伸びています。

 このような救急需要の増加を受け、一部の消防本部は「PA連携」という取り組みを始めています。「P」はポンプ車(Pumper=消防車)、「A」は救急車(Ambulance)を意味しており、救急出動要請に対し、救急車(救急隊)とポンプ車(消防隊)が連携して出動するというものです。

救急車の適正利用が必要?

 この「PA連携」では、救急車の出動要請が重複した場合や、救急車が遠方の現場に出動して次の現場到着までに時間を要する場合、まずは、消防署から消防車が出動することになります。

 また、交通事故現場やイベント会場など、通常3人編成の救急隊だけで傷病者(救急患者)対応や隊員自身の安全確保が困難な場合にも、消防車(消防隊)が援護のために出動します。消防隊と救急隊は現場で連携し、スピーディーかつ確実に救出、救護活動を行うのです。

 2000(平成12)年4月から「PA連携」を行っている東京消防庁によると、2015年の救急出動件数75万9802件のうち、「PA連携」は20.6%にあたる15万6260件で、ここ数年は「横ばい」とのこと。消防隊も救急技術の知識を持っているため、救護、救命処置が可能だといいます。

 ちなみに、平成27年版『消防白書』によると、2014年に救急搬送された540万5917人のうち、入院を必要としない軽症などの人の割合は49.6%。「PA連携」が導入される背景のひとつには、救急車の適正利用が進まない現状があるため、私たちも救急車を上手に使う知識を身に付ける必要があるのかもしれません。

太田幸宏(乗りものニュース編集部)

最終更新:8月3日(水)19時35分

乗りものニュース

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