ここから本文です

川に流された母子3人、元力士が土俵際で人命救助 佐賀・嘉瀬川

佐賀新聞 8月3日(水)10時58分配信

3人抱きかかえ助け出す

 佐賀県佐賀市大和町の「道の駅大和そよかぜ館」のそばを流れる嘉瀬川で7月初め、溺れていた女性と幼児2人を会社員川崎大輔さん(39)=佐賀市川副町=が救助した。川崎さんは大相撲の元力士。流される3人を抱きかかえたまま“土俵際”で食い止め、無事に助け出した。

流されながらも右足で踏ん張る

 川崎さんは7月3日、勤務する戸上コントロール(佐賀市)の同僚とその家族の約20人でそよかぜ館へバーベキューに出掛けた。食事前の正午すぎ、川に流された6歳と3歳の男児2人とその母親の30代女性を発見。服を着たまま飛び込んで3人を両腕の中に抱き込んだもの、深場で20メートルほど流された。足が川底に届くと急な水の流れを受けながら右足で踏ん張って立ち止まり、3人を抱きかかえて自力で川から引き上げた。

「成剛」のしこ名で10年活躍

 川崎さんは白石中を卒業後、相撲部屋に入門。「成剛」のしこ名で1999年に三段目に昇進するなど25歳まで約10年間活躍した。数々の体の大きな力士とぶつかり合ってきたが、「3人を抱えて受ける川の流れは現役の時にも経験のない強さだった」という。

「母親の表情見て、力出せた」

 救助された3人は救急搬送も必要なく、川崎さんは子どもの家族から感謝の言葉を受けた。川崎さんは「無我夢中だったが、無事で何より。川の中で2人の子どもを助けようと必死になった母親の表情を見て、自分も普段出せない力が振り絞れた」と振り返る。

 「救助できたから笑って話ができるけど、助けた時を思い出すと命に関わる水難事故の恐ろしさも痛感する」と川崎さん。佐賀広域消防局は今月下旬、川崎さんと今回の救助に協力した佐賀市川副町の原口圭太さん(28)の2人を表彰する。

最終更新:8月3日(水)16時36分

佐賀新聞