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学習テストのあり方が変わる?-大阪府大、眼球の動きから英語の習熟度を推定する技術開発

日刊工業新聞電子版 8月3日(水)15時30分配信

問題読み解く視点データを解析

 大阪府立大学大学院工学研究科の黄瀬浩一教授らは、英文問題を解く際の目の動きから、英語の習熟度を推定する技術を開発した。眼球運動を測定する装置「アイトラッカー」で視点情報を得て、動きの特徴を解析。英語習熟度の目安として英語能力テスト「TOEIC(990点満点)」のスコアを推定する。被験者21人が英文問題2文書を解いた実験では、推定スコアと実際のスコアとの平均誤差は30点だった。

 アイトラッカーをパソコンに取り付け、画面に英文問題を表示。解答時にどこを見ているかの視点情報を、画面上の座標データとして取得する。

 文書を読む際は、視点が留まる固定、固定からの急速な運動、瞬きの3種の眼球運動を繰り返しており、この3種を数値化して解析した。さらに英文問題の解答時は英語習熟度によって、本文や問題の読み方や答えの選択肢を探す目の動きに差が出る。視点情報からこれらの動きの特徴を抽出し、解答時間と正答数も合わせた重回帰分析によりTOEICスコアを推定する。

■日本語や物理にも展開
 英語習熟度のテストはTOEICが一般的だが、試験時間や結果が出るまでに時間が必要。少ない問題数で手軽に英語習熟度を推定できれば、利便性向上や学習のモチベーション向上につながる。黄瀬教授は読んだ語数を計測する技術も開発しており、英語習熟度の推定と組み合わせて、勉強量と成績向上度の関係も分析できる。

 今後は推定スコアの精度向上のために、体温や心拍など他の生体信号のセンサーの使用も検討する。日本語や物理の習熟度推定への展開も取り組む。

最終更新:8月3日(水)15時30分

日刊工業新聞電子版