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“守備の人”がバットで救った日本の窮地 U15侍は5連勝で予選突破

Full-Count 8/3(水) 12:12配信

コロンビアに傾き掛けた試合の流れ、二塁・田口夢人の堅守で引き戻す

 2日に行われた「第3回 WBSC U-15 ベースボールワールドカップ in いわき」の予選リーグ5日目。日本はコロンビアに勝利し、予選リーグはグループAで1位通過を決めたが、今大会初めて先制点を奪われた。その嫌な流れを断ち切ったのは、3戦目からフル出場でセカンドを守る田口夢人だった。

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 2回。日本は2本のヒットと死球で満塁とし、押し出し四球で先制のホームインを許した。なおも2死満塁。これ以上の失点は、韓国戦で5点差をひっくり返したコロンビアを勢いづけてしまう。先発の岡田幹太は緊迫した空気の中、2番・ベルベルの打席でストライクが入らず、2球連続でボール。ここでたまらず、石崎学コーチがマウンドへ駆け寄る。その後、フルカウントからの6球目。ベルベルの打球は田口が守るセカンドにはじき返された。二塁ベース寄りに飛んだ打球はバウンドがやや変化。それでも、田口は慌てることなく、ボールを体の前に落として素早く一塁へ送球し、アウトを奪った。

「ピンチの場面で自分にボールが飛んできても動けるように準備はしていた。しっかりとアウトを取って、チームに流れを引き寄せようと思った」

2回に勝ち越しライト前ヒット、バットでも勝利に貢献

 試合後、そう話した田口は、相手に傾き掛けた試合の流れを守備でたぐりよせると、今度はバットでチームを救った。直後の攻撃、日本は1点の追い上げに成功。なおも2死一、二塁のチャンスで打席に立つと、カウント1-2からの直球をライトに運んだ。「追い込まれていたのでしっかりミートをして後ろにつなごうと思った。その結果、ヒットになって嬉しかった」と田口。この試合のチーム初安打は、貴重な勝ち越し打になった。

 毎日家族を連れて、栃木県下野市から車で2時間をかけて応援に駆けつける父・一智さんは「ウチのは体が小さいため、長打はないのでヒット1本で(二塁走者には)ホームに返ってきてもらえればいいのかなと思っていました」と喜んだ。

“壁当て”で鍛えた堅実な守備「流れに乗って優勝を目指したい」

 166センチ、56キロの体格は、180センチ、170センチ台の大柄な選手が居並ぶ侍ジャパンU15では、小柄だ。そのため、自信を持っているのは守備。「仕事から帰ってくると壁当てをやっていました」と父・一智さん。小さい頃から「壁当て」で鍛えた堅実な守備は、チームに安心感を与えている。母・幸子さんによれば性格は「ポジティブ。前向きです」。両親が願いを込めて「夢人」と名付けた少年の気質が、窮地に追い込まれそうだった日本を救った。

 日本は5戦全勝で予選リーグを1位で突破。田口が「チームの雰囲気はすごくいい。みんなで声を出せるようになってきたので、もっと上を目指せると思う」と言うように、日本は日に日にチームとしての一体感を強めている。貴重な一打を放った“守備の人”はスーパーラウンドを見据え、「ヒットを打てたので次の試合も自信を持って挑めると思う。チームがまとまって全勝できているので、この流れに乗って優勝を目指していきたい」と力強く言い切った。いぶし銀の活躍が日本を支えている。

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

最終更新:8/3(水) 12:27

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