ここから本文です

メガネ・カバン・靴に製造会社のロゴを刻み「尊敬マーケティング」

ハンギョレ新聞 8月3日(水)7時23分配信

ファッションブランド「RAWROW」

製造業社名伏せる多くのファッションブランドとは違い
どの製品にも製造業社のロゴ刻み積極広報
「製造業社を輝かせるのがブランドのすべきこと」
消費者積極的に共感 … 新製品どれも完全販売

 多くのファッションブランドは製品を自分で作りはしない。デザインだけして生産は製造業社に任せる。そのようにして作られた製品にブランドのロゴが付く。世の注目は全てブランドが受けるのであって、製品のどこにも製造業社の名は見当たらない。こんな分業構造は、誰も疑問を提起しないほどに当たり前の事となっている。

 2011年に6人の青年が意気投合して作ったブランド「RAWROW」はほとんど唯一の例外だ。このブランドが最近発売したチタン素材のメガネのフレームには、RAWROWのロゴとともに 「DAEHAN」(大韓)という文字が刻まれている。大邱(テグ)でメガネのフレームを作る会社「大韓ハイテック」の名を刻み込んだのだ。去年発売した運動靴の靴底にも、RAWROWと製造業社のロゴとが並んでいる。

 コンピューターやケータイには「インテル」や「クァルコム」など、部品製造業社のロゴが付いている。 しかしこれは部品製造会社が卓越した技術力で世界的な名声を得ているため、これらの会社の部品を使ったということがそのまま完製品の品質を保証する例外的なケースだ。 日本のファスナー製造企業YKKもそのケースだ。このような特殊な事例を除けば、数えきれないほどの製造業社が自分の名を刻むことができないまま有名ブランドに製品を納品している。

 RAWROWのイ・ウィヒョン代表(35)は「アメリカのファッション業界を見る機会があった。パーソンズ・スクール(ニューヨークの有名デザイン学校)の周辺でボタンやファスナー、生地を専門とする会社を運営している韓国人がたくさんいる。いろいろな世界的ブランドがその人たちと一緒に仕事を始めたが、ブランドだけがスーパースターになり、部品担当のその人たちは優れた技術にもかかわらずそれ相応の待遇を受けられないでいるのを見て、悔しい気がした。ブランドだけが優秀なので成功したわけじゃない。製造業社と功を分け合って彼らを輝かせるのが、ブランドとデザインのやれることだと考えた」と語った。

 初期にカバンで人気を得たRAWROWは、2年前明洞(ミョンドン)と弘益(ホンイク)大前で展示会を開いた。ソウル市長安(チャンアン)洞でRAWROWのカバンを作るリーチコレクションのキム・ウォンハク氏の「カバン製造人生40年』を主に紹介した。また、靴を発売した時にはフェイスブックとホームページを通して、1970~80年代に世界を牛耳った韓国の靴産業の歴史と、現在もその命脈を引き継いでいる製造業社の話を紹介した。

 今年5月末に発売したメガネについての紹介は 「これはRAWROWの作ったメガネではありません。32年間チタンに夢中になった方が作りました」という文句で始まっている。大韓ハイテックのパク・スンヨン代表がチタンの技術を学ぼうとして、日本の工場に入るためにバイヤーの振りをしたり就業したりもしたという話、日本に初めて輸出して稼いだ金を全部装備開発に使ったという話、100%チタンで溶接する卓越した技術についての説明も載せた。

 このような姿勢は「ファンダム」につながった。発売するやいなや48時間で最初の物量がオンラインで売り切れ、オフラインでは売ることもできなかった。今でもRAWROWのメガネを買おうとすれば1カ月以上待たなければならない。靴は発売後1年でたった二つのスタイルだけで1万5000足が売れた。 消費者はフェイスブックに使用後の感想を書き込んで「自発的営業社員」になった。創業資金2千万ウォンで始めたRAWROWは、わずかな製品群で数十億ウォン台の売上げを記録する強いブランドに成長した。イ代表は「新製品と言っても、世の中に全く新しいものなんて何があるだろう」と言い 「消費者たちが、私たちの伝えたい話やブランドと製品に託そうとする意味に共感をもってくれているようだ」と話した。

 RAWROWのカバンを作っているキム・ウォンハク氏は 「40年間数多くの有名ブランドに納品したが、こんな待遇を受けたのは初めてだ」と言う。彼は「ふつうデザイナーは頑固で製造業社の助言に耳を傾けないが、RAWROWのデザイナーは対話ができる。品質が良くならざるを得ない。他のブランドは何時までに本社に来いと言うが、RAWROWのデザイナーは自ら週に何回か私たちの工場に訪ねて来る。2011年から今までRAWROWの事務室へ行ったのは2、3度だけだ」と語った。

 メガネを作っている大韓ハイテックのパク・スンヨン代表は「製造業社名はみんな隠そうとする。30年間やってきたが、私の会社名を刻んだメガネは今回が初めてだ。RAWROWがずいぶん広報してくれたお陰で、他の問屋から電話がたくさん入った。競争会社からRAWROWと全く同じに作ることができるかという問い合わせも受けたが、すべて断った。金も金だが、信頼が先ではないか。私たちを信頼して大韓ハイテックの名を世に知らせてくれたのに、二心を抱くことはできないこと」と語った。

文 • 写真 ユ・シンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:8月4日(木)7時18分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。