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志功、若者教育に熱意 福野高文芸誌に寄稿文 

北日本新聞 8月3日(水)0時51分配信

 南砺福野高校(南砺市苗島・福野、竹田誠校長)が収蔵する1950年の校内文芸誌創刊号に、福光町(現同市)へ疎開していた板画(はんが)家、棟方志功の寄稿文が載っていることが確認された。前身の福野高校には棟方の子らが通っており、学校側の依頼を受けたとされる。日本文化の神髄を紹介する文面から、若者教育への熱意がうかがえる。13~16日に同校の国指定重要文化財・巌浄閣の企画展で紹介する。

 45~51年に福光へ疎開した棟方には4人の子がいた。後に劇団民芸俳優として活躍した長男の巴里爾(ぱりじ)さん(故人)は戦後間もない時期に設けられていた併設中学校、長女のけようさんが福野高校を卒業した。次女も一時期通った。

 文を寄せたのは、校内文芸サークルが編集し、長女が在籍した50年1月に発刊された「文航」創刊号。「真実なる日本の美」と題し3ページにわたる。自らが関わる民藝(みんげい)について「国の伝統を更に超え進んで行く」と、思い入れの深さを示し、日本の精神文化を形成する茶と禅の「二道」の重要性も指摘。利休らが活躍した桃山時代について「最も雄々しき大舞台」とつづった。

 棟方に詳しい南砺市福光美術館の渡邊一美副館長は「美に対する自らの主観を伝えたいという意気込みが伝わってくる。棟方を理解する教育者が多かったからこそ、寄稿が実現したのだろう」とみる。

 学校新聞には、題字のデザインを引き受けてもらったことについて「永遠に記念すべき」と感謝がつづられている。企画展では、棟方が執筆やデザインなどに関わったこれらの冊子や資料を紹介する。

 資料を整理してきた野口安嗣教頭は「PTA関係者として学校教育に貢献した姿を伝えたい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:8月3日(水)0時51分

北日本新聞