ここから本文です

「バスタ新宿」オープンから数カ月、そのリアルな使い勝手は?

SUUMOジャーナル 8月3日(水)7時0分配信

4月4日に誕生した“バスタ新宿”。新宿駅周辺に点在していた19カ所の高速バス乗り場を集約させ、交通渋滞の一因となっていた新宿駅南口のタクシー乗り場も移動させて誕生した日本一巨大な交通ターミナルです。オープンから3カ月経った7月初旬に訪れ、どんな場所で、使い勝手はどうなのかを見てきました。

■新宿駅新南改札から直結! 人の流れが変わった

“バスタ新宿”(正式名:新宿南口交通ターミナル)は、全国39都府県・300都市と新宿を結ぶバス会社約120社(空港バス含む)が乗り入れるバスターミナル。発着便数は、開業時の1日約1200便から7月下旬時点で約1600便まで増え、お盆時期には1日1625便となる予定です。

JR新宿駅・新南改札から直結するビルの4階に高速バス乗り場、3階に高速バス降り場とタクシー乗降場があり、国内最大の交通ターミナルとなっています。
利用者は、開業から1カ月間で1日平均約2万人。この夏、お盆のピーク時には約4万人もの利用者が見込まれています。

【画像1】バスタ新宿(写真右側)はJR新宿駅南口の向かい。国道20号線を渡った先にあります。バスタ新宿の入るビルの2階がJRの改札階となり、「新南改札」が新設されました(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

かつて、新宿駅周辺の高速バス乗り場は散在していて、乗り場によっては場所が分かりにくく、アクセス途中に階段や段差がある乗降場や、待合場所がない乗降場もありました。例えばヨドバシカメラ西口本店そばにあった新宿高速バスターミナルは、利用者が多い割に狭く、混雑して、使い勝手はあまりよくありませんでした。

それらの不便を改善すべく登場したバスタ新宿は、JR新宿駅からのアクセスが格段によくなり、快適な待合室が完備されるなど、利便性の良い施設となりました。

【画像2】かつての新宿駅周辺の主な高速バス乗降場。駅から遠く、初めて利用する人にとって、どこで乗ればいいのか分かりにくい状況でした(画像提供/国土交通省関東地方整備局東京国道事務所)

バスタ新宿を管轄する国土交通省関東地方整備局東京国道事務所の調査によると、次のように利用者の満足度が高まっています。

●乗り継ぎ環境
 オープン前「以前はバス乗り場まで、大きな荷物を持って階段で移動するのが大変だった」
   ↓
 オープン後「エスカレーターがあるので、荷物があってもスムーズに移動できる」

●待合所の状況
 オープン前「冬、路上で待つのはとても寒かった」「雨の日はずぶ濡れで待つのが辛かった」 
   ↓
 オープン後「温かい待合所は大変助かる」「Wi-Fiも使えて便利」

【画像3】写真左:バスタ新宿の巨大ロータリー。ここで1日約1600本のバスが出発。写真右:4階にはバス乗り場のほか、発券所、待合室、インフォメーションカウンター、トイレ、コインロッカーがあります(撮影/金井直子)

また、かつての新宿駅南口駅前はタクシー乗降場があり、客待ちの車が車線をふさぐことで国道20号線の渋滞の一因となっていました。これを改善すべくバスタ新宿にタクシー乗降場を移動したことで、渋滞緩和につながっています。
南口ではタクシーに乗り降りする場所がバスタ新宿になり、炎天下や雨天の際にも安心です。

このほか改善された点としては、タクシー乗降場移設に伴って新宿駅南口駅前の歩道幅を拡張(場所によっては幅が15mの広さに!)し、歩行者の安全性や快適性が向上したこと、西新宿に点在していた高速バス乗り場がなくなったことで、路肩に駐停車する大型バスがなくなり、道路環境が改善したことなどが挙げられます。

■本当の使い勝手はどうなのか、行ってみた!

7月初旬にバスタ新宿に行き、高速バスに乗る人の目線で使い勝手をチェックしてみました。

●アクセス…JR利用者には便利な一方、私鉄・地下鉄利用者は「遠くなった」
バスタ新宿の開業とともに、かつてのJR「新南口」や「サザンテラス口」という複雑で分かりにくかった出口がなくなり、「新南改札」へと変わりました。「南口」とは異なりますので間違えないよう注意が必要です。バスタ新宿へ行くのにJRを使う人は、ホーム南端に下りるように電車に乗ると、新南改札に近くて便利。「新南改札」を出てすぐ左手にある直行エスカレーターで4階へ向かいます。
なお、「新南改札」の営業時間は5:45~24:00なので、深夜や早朝にバスやタクシーに乗る場合は、「南口」を出て甲州街道の横断歩道を渡り、向かいのバスタ新宿へ向かうのがよいそうです(南口改札より徒歩4分)。

JRからはアクセスしやすいのですが、私鉄駅と地下鉄駅からのアクセスはどうでしょうか。新宿駅周辺には小田急線、京王線、京王新線、都営新宿線、都営大江戸線、副都心線、丸ノ内線が乗り入れており、改札口からの所要時間の目安は下記のとおりとなっています。

◯小田急線「新宿駅」南口改札より徒歩4分
◯京王線「新宿駅」京王百貨店口改札より徒歩5分
◯京王新線「新線新宿駅」京王新線口改札より徒歩5分(出口2)
◯都営新宿線「新宿駅」京王新線口改札より徒歩5分(出口2)
◯都営大江戸線「新宿駅」京王新線口改札より徒歩5分(出口2)
◯東京メトロ副都心線「新宿三丁目駅」新宿三丁目交差点方面改札より徒歩8分(E10出口)
◯東京メトロ丸ノ内線「新宿三丁目駅」伊勢丹方面改札より徒歩10分(E10出口)
※出典:[バスタ新宿]ホームページより

特に東京メトロからの乗り換えは遠くて不便に感じますね。丸ノ内線は「新宿駅」からも歩ける距離ですが、丸ノ内線の新宿駅西口改札から新宿南口方面へ行く場合、駅前の道を延々歩くか、小田急百貨店や新宿ミロード内を通ってようやくたどり着くといった感じになるので、土地勘のない方は迷う可能性もあります。
いずれにしても乗車時には時間の余裕を持ったほうがよさそうです。

【画像4】新南改札を出ると、植栽のあるオープンエアなテラスが。ここへは「サザンテラス」からもつながっています(撮影/金井直子)

●チケット購入…事前にバス会社で予約を
高速バスに乗る場合、事前にバス会社にネット予約か電話予約をし、(1)オンライン・クレジット決済(WEB乗車券・ケータイ乗車券)、(2)コンビニ購入(コンビニ乗車券)、(3)バス会社で窓口購入が一般的ですが、もちろんバスタ新宿で直接購入することもできます。
バス会社によっては予約不要、乗車は先着順というバス便があるので、事前に確認を。

4階の発券所には、係員のいる発券カウンターと自動発券機があり、次の予約システムを利用している高速バス会社の乗車券・回数券・企画切符等を扱っています。
◯ハイウェイドットコム ◯高速バスネット ◯発車オーライネット ◯リムジンバス

お盆などの繁忙期はもちろん、週末や平日でも時間帯によっては混み合うので、予約しておくのが安心です。

【画像5】写真左:発券カウンター(撮影/金井直子)。写真右:自動発券機。平日昼過ぎごろの様子(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

●バスへ乗車…乗車時間までベンチでゆったり待てる
高速バス乗り場は12カ所あり、方面別の乗り場をオレンジ、青、緑、紫の4色別に表示した分かりやすい案内です。
待合室のほか、各バス乗り場にもベンチがあるので、かつての新宿のバス乗り場で見られた、「ベンチが少ないから地面に座っていた」「雨の日なのに屋根のない場所で並ぶのが大変だった」という思いはなくなりました。

【画像6】案内版には出発時間・行き先・運行会社・残席状況・乗り場を分かりやすく表示(撮影/金井直子)

【画像7】写真左:青色のB4・B5・B6乗り場は、待合室に面していて便利(B乗り場は利用者の多い山梨や静岡方面のバスが発車します)。写真右:バス乗り場前のベンチで乗車時間を待つ人も(撮影/金井直子)

バス乗り場は4階にありますが、バスを降りるのは3階です。3階にはタクシー乗り場と「東京観光情報センター」があります。

【画像8】写真左/「東京観光情報センター」は主に訪日外国人旅行者向けの施設ですが、もちろん日本語情報もあります。写真右/屋内で乗降できるタクシー乗降場(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

●売店…近い将来、オープン予定! 隣接ビルにコンビニあり
バスタ新宿で一番驚いたのは売店がないこと(飲料の自販機とセブン銀行のATMはあります)。乗車前に駅弁や軽食を買おうと思っている人は要注意です。

現在、駅弁と軽食が買える一番近い場所としては、JR新南改札を出る前にある「NEWoMan(ニュウマン)エキナカ」が比較的充実。洋菓子や和菓子のお店も数軒あるので、手土産を購入することもできます。

JRの駅外なら、「新南改札」の横にある「NEWoManエキソト」にベーカリーカフェが、バスタ新宿に隣接する「JR新宿ミライナタワー」5階に「ナチュラルローソン」があります。ちなみに「ミライナタワー」はバスタ新宿と同時期にオープンした高層ビルで、ルミネが展開する商業施設「NEWoMan(ニュウマン)」が入る新宿の新たなスポットです。

そのほか、もっといろいろ手土産を見たいという場合は、2階テラスからつながる「新宿タカシマヤ」のデパ地下が充実しています。

このように現在はちょっと不便な買い物環境ですが、売店は近い将来、設置される予定です。国土交通省関東地方整備局東京国道事務所によると「現在、出店企業の公募手続きを進めているところ」とのこと(オープン時期未確定)。そうなったら、大きな荷物を持って周辺をうろうろしなくても済みそうです。

●コインロッカー…数に限りがあって平日でもすぐふさがる!
バスに乗る前に荷物を預けて新宿で買い物を、と考えている人は要注意。バスタ新宿内のコインロッカーは大・中・小、合わせて142個しかなく、平日でも時間帯によってはすぐふさがってしまいます。

近いロッカーを探すには、「コインロッカーなび」「コインロッカーサーチ」というWEBサイトが便利。それによると、JR新宿駅 南Cロッカー、新南Bロッカーなどが近いようです。

荷物を預けて身軽に動きたいという人は大勢いると思うので、ロッカーはぜひ増やしてほしいもの。
バスタ新宿を運営する新宿高速バスターミナル株式会社によると「ロッカー増設のご要望もたくさん頂いています」とのことで、現状では具体的な話は進んでいないようですが、いずれ改善されて便利になることを期待しています。

【画像9】平日の15時ごろ。ロッカーはほとんどが使用中で空いているのは2つのみでした(撮影/金井直子)

●トイレ…バス発着が多い時間帯にはトイレ待ち行列も!
バスタ新宿のトイレは4階に2カ所、3階に1カ所。女子トイレを覗いてみると、個室が計12室のみで、1日1600便以上の発着があるターミナルにしては少ないなと感じました。東京国道事務所に聞くと「現在、トイレ増設の早期実現に向けて検討を進めています」とのことで、改善予定があるそうです。

でも現状は、繁忙期や時間帯によってかなり混むこともあるため、トイレが車内にないバスを利用する人は早めにトイレを済ませたほうが良さそうです。

■どう変わった? 使いやすい? 利用者の声を聞きました

最後に、これからバスに乗るという方々にバスタ新宿を利用した感想を聞いてみました。

男性・60代・会社員・長野在住
「初めての利用です。ここに来る際に困ったことは、案内表示に大きく『高速バス乗り場』とか『高速バスターミナル』という表示が出ていないこと。“バスタ”の名前に馴染みがなく、分かりづらかったですね。また、西口の高速バス乗り場を利用していたときは京王百貨店が近くて、土産を買うのに便利でした。いまは買い物が不便になったと感じます」

女性・20代・看護師・東京在住
「年に4、5回、静岡行きのバスに乗りますが、ここは初めて。目的地へはバス会社が数社乗り入れていて、1社ずつネットで時刻を確認するとなると大変ですが、ここやバスタ新宿のHPなら時刻が一気に調べられて便利。以前の待合室は椅子が少なくていつも座れませんでしたが、ここならゆったり待てます。夜勤明けなのでありがたいですね」

男性・30代・会社員・福島在住
「広くてきれいでびっくりしました。日帰りで買い物に来ましたが、昼ごろに荷物を預けようとしたらロッカーが全部ふさがっていたのがマイナス点です。午前中に買い物した荷物を預けて、手ぶらで午後の買い物に出ようと思っていたのに誤算です。近くのロッカーを探さなくてはなりませんでした。バスの便数増に比例して人も増えたので、もっとロッカーがないと困りますね」

女性・40代・パート・山梨在住
「新宿駅は大きくて複雑なので、バスタ新宿へたどり着くのが大変でした。慣れないと迷いますね。以前の高速バス乗り場はトイレが狭くて混雑していましたが、改善されて良かったです。時刻案内が分かりやすいのと、総合案内で分からないことを相談できるのがいいですね」

男性・70代・コンサルタント・東京在住
「友人が上京するので出迎えに来ました。待ち合わせポイントとしては利用しやすいです。ただ、以前利用していた西口バス乗り場に比べて道のりが遠くなった。高速バス乗り場が1つになりましたが、新宿駅は大きいので2カ所くらいに分かれていてもいいんじゃないかと思いましたね」

【画像10】案内所には、時刻検索などができるタブレット端末を設置(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

おわりに

筆者も、群馬方面や成田空港へ高速バスを利用したことが何回かあります。群馬行きはバス乗り場が最寄りの西新宿駅から歩いて5分のところにあって、重い荷物を抱えて雨天や炎天下で移動したり、行列して待つことが負担でした。
バスタ新宿は、JR利用者以外は4~10分歩かなくてはならないことなど、人によって不便な点はあるものの、道路沿いで乗り降りしていた以前のバス乗り場から比べると、「JR駅直結」「座って待てる待合室」は快適そのものだと感じました。
しかし、日本一の規模だけに、ピーク時にはチケット購入、トイレ、ロッカーなどの混雑が予想されます。利用時には余裕をもって出かけましょう。

●取材協力
・国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所
・バスタ新宿

金井直子

最終更新:8月3日(水)7時0分

SUUMOジャーナル