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中小企業「婚活」助ける日本M&A、後継者不足に商機-株価12倍

Bloomberg 8月2日(火)0時0分配信

起業から四半世紀、竹内正夫さん(63)が手塩にかけた自社の譲渡を決意したのは59歳のときだ。定年退職が迫る友人の姿に感慨を深めた上、自身のセカンドライフや会社の将来を熟慮した結果、企業の合併・買収(M&A)仲介サービスを行う日本M&Aセンターの扉をたたく。

竹内氏は35歳で日立製作所を辞め、四畳半のアパートで社員3人、中古のスチール机からソフトウエアの受託開発会社を始めた。約25年の時を経て社員は100人弱、売上高は9億円まで成長したが、後継者の不在に加え、従業員が億単位の自社株を購入することは難しかった。日本M&Aから4社の紹介を受け、40代の社長で顧客が重ならない大阪府の企業への譲渡を決断。契約調印時は「肩の荷が降りるとともに、社員に会えない悲しみも沸き上がった」と言う。

中小企業の経営者年齢で最も多いのは2015年時点で66歳、20年前の47歳から高齢化が進む。一方で後継者不在や将来的な経営不安など内部的課題、税負担や借入金・債務保証の引き継ぎなど財務的課題から事業承継も難しくなっている。後継者の不在率は売り上げ規模が小さいほど高く、信用調査会社の帝国データバンクの調べで1億円未満は78.2%、1ー10億円未満は68.5%、10ー100億円未満は57.5%。また、東京商工リサーチによると、企業の15年の休廃業・解散件数は2万6699件。09年以降は2万5000件を超す高水準で推移し、倒産件数の3倍に及ぶ。

「ニーズは何万社もあるのに、プレイヤーはゼロに近い。仕事は取り放題だ」と、日本M&Aの三宅卓社長(64)はブルームバーグ・ニュースのインタビューで述べた。日本の創業者はこれまで、自身が育てた会社を売却することに抵抗感があったが、「会社を残し、発展させるにはM&Aは当たり前という意識が浸透し、ポジティブに捉えるようになってきた」と分析。経営から退き、「人生を楽しもうという人も増えてきた」と話す。

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最終更新:8月2日(火)12時16分

Bloomberg