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国債市場にはびこる高所恐怖症、異次元緩和の限界説が投げ売り誘う

Bloomberg 8月3日(水)0時0分配信

日本国債が約3年ぶりの急落-。日本銀行による金融緩和政策が限界に近づいているとの思惑が、投資家の高値警戒感をあおっている。

長期金利の指標となる国債の新発10年物利回りは2日、一時マイナス0.025%とプラス圏へと急接近した。前日比の上昇幅は10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を超え、3月16日以来の高水準を付けた。先週末からの上昇幅は2013年4月以来の大きさだ。

「狂ったように売っている。黒田緩和の終了をイメージしている動き。全般的にどこまで行くのか分からない状況。投げ売り状態でオーバーシュートしてしまう感じ」。マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、債券相場の急落をこう表現した。

日銀は先週末の金融政策決定会合で、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ増額などを決めた一方で、政策金利マイナス0.1%と長期国債買い入れ額をいずれも据え置いた。国債市場で期待が高まっていた金利を一段と押し下げるような追加緩和策はなかった。

黒田東彦日銀総裁の金融緩和の拡大余地は限界に近づいているー。米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)や榊原英資元財務官ら市場関係者からは、こういった指摘が相次いだ。一方、黒田総裁は、政策発表後の会見で、これまでの量的緩和やマイナス金利政策について限界に来たことは全くないと指摘。マイナス金利は「まだ深掘りしていく余地がある」と述べた。

国債市場にはびこる高値警戒感は、2日の10年利付国債入札の低調な結果にもつながった。最低落札価格が市場の予想中央値を下回り、最低価格と平均価格の差であるテールは27銭と昨年3月以来の水準に急拡大。投資家の国債に対する需要の強弱を反映する応札倍率は3.16倍と前回の3.64倍から低下した。

Kevin Buckland, Yumi Ikeda

最終更新:8月3日(水)0時0分

Bloomberg