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122兆円ため込む中国企業、低成長で投資に及び腰-当局や株主は不満

Bloomberg 8月3日(水)12時24分配信

中国企業がこれだけ多くの資金を抱え込み、なおかつそれを投じる対象がなかったことはこれまでなかった。中国経済が四半世紀ぶりの低成長に落ち込む中で、投資機会が少なくなっていることが背景だ。

中国企業の現金保有は4-6月期に18%増え、6年ぶりの大きな伸びとなった。ブルームバーグの集計データによれば、銀行と証券会社を除く中国企業の現金保有は1兆2000億ドル(約122兆円)に上り、日米欧の企業より速いペースで増えている。

中国企業による前代未聞の内部留保に政策当局と投資家は不満を募らせている。企業は新規プロジェクトに資金を投じる自信がなく、金融システムに流動性を供給して成長を押し上げようとする当局の試みは機能していない。一方で株主は、企業のバランスシート上に資金が積み上がるなら、それを増配か自社株買いに充ててほしいと願う。

HSBCホールディングスのアジア太平洋地域株式戦略責任者ヘラルド・バンダーリンデ氏(香港在勤)は「一段と大きな問題になっており、現金保有が議論の的だ」と述べた。

四半世紀の大半にわたって中国企業はリスクテークすれば報われてきたので、資金があれば投資するより内部留保に回したいとする傾向は比較的新しい現象だ。中国の民間固定資産投資は昨年10%を超える伸び率だったが、今年1-6月は2.8%増と、記録上では最低となった。

企業内部に現金が積み上がっているのは、経済成長鈍化で借り換えが一段と難しくなるとの企業幹部の懸念を反映している面もあるかもしれない。豊盛融資で運用を担当する黄国英氏(香港在勤)は「借り入れの大きい企業が慎重になるには非常にもっともな理由だろう」と指摘。「今は株式相場が低迷、債券もそれほど良くないので、新規資金の調達は難しい」と話した。

ただ企業の現金抱え込みは中国に限った問題ではない。日本企業の保有額も昨年、過去最高を更新し、企業が財政と金融を通じた景気刺激策の有効性を確信できていないことを示唆している。

原題:China Inc. Has $1 Trillion in Cash That It’s Too Scared to Spend(抜粋)

Kana Nishizawa

最終更新:8月3日(水)12時24分

Bloomberg