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海水面上昇で米住宅所有者が被る損害、89兆円に上る可能性-ジロウ

Bloomberg 8月3日(水)14時18分配信

住宅に関する「アンダーウォーター」という言葉は通常、評価額を上回る住宅ローンを抱えていることを意味する。気候変動が進めば、この言葉が文字通りの意味を強めるかもしれない。

不動産ウェブサイトのジロウの最新リポートによると、海水面の上昇で住宅所有者が受ける損害は8820億ドル(約89兆円)に上る可能性がある。同リポートの最初のきっかけとなったのは科学誌ネイチャーに3月に掲載された、海水面が今世紀末までに6フィート(約1.83メートル)余り上昇する可能性があるとの調査結果だ。このシナリオに基づけば、フロリダ州では約100万戸の住宅が失われる見込みで、これは同州の現在の戸数の13%に相当する。被害総額は4000億ドルに上るとみられ、この中には商業ビルや公共インフラ、将来の住宅価格の上昇分は含まれていない。

ジロウは同社の住宅価格推計と米海洋大気局(NOAA)の海水面予想を基に調査。ジロウのチーフエコノミスト、スベンジャ・グデル氏は依然として推測の部分が大きいと指摘する。各国政府は沿岸のコミュニティーを守るために壁を築くことができ、海水面の上昇は予想より緩やかなペースで進む可能性がある。ただ、条件がいかに変化しても浸水があれば多額の損失が予想される。

海水面の上昇を2フィートとするジロウの控えめなシナリオでも、米国の住宅の損害額はなお740億ドルに上り、このうちフロリダ州が170億ドルと最も多くなる見込みだ。

原題:Rising Sea Levels Could Cost U.S. Homeowners Close to $1 Trillion(抜粋)

Patrick Clark

最終更新:8月3日(水)14時18分

Bloomberg