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【インサイト】潮目が変われば米国株はどれだけ下げる?危険性を検証

Bloomberg 8月3日(水)15時47分配信

いささか気になるメトリックスが出てきたので、米国株のバリュエーション(株価評価)について語るべき時期が来たようだ。

7月29日に米商務省が発表した4-6月(第2四半期)の実質国内総生産(GDP)速報値は年率で前期比1.2%増と、エコノミスト予想中央値の2.5%増を大きく下回った。失望を誘うGDP発表はこれで3四半期連続。1-3月(第1四半期)の成長率は0.8%、昨年10ー12月(第4四半期)も0.9%にすぎない。設備や在庫への企業投資意欲も後退している。

当然のことながら、企業利益には下押し圧力がかかる。米S&P500種株価指数銘柄の過去12カ月ベースでの営業1株利益(EPS)は2014年7-9月(第3四半期)のピークから5.4%減少した。

ここまでの指摘は何も、米経済と企業利益が必ずしも今後ますます弱まると言っているわけではない。だが、もしそうなれば、株価はひどい反応を示す公算が大きい。問題はどの程度ひどいかだ。

その危険性の度合いを考える上での方法の一つに、現在の株価の把握がある。簡単な理屈だが、高く取引されていればいるほど、下げる余地は大きくなる。

S&P500種の株価収益率(PER)は米国株のバリュエーションを考える上で最も注目される指標の一つだが、10人の市場アナリストに尋ねると10人から別々の答えが返ってくる公算が大きい。

株価については誰もが一致するが、難しいのは企業決算のどの数字に注目し、どこをどう読むかだ。利益一つとっても、営業利益や経常利益などいろいろだ。来年見込まれる利益をベースとするPERは役立つものの、企業収益は株価同様に変動するので業績予想は難しい。投資家としてはアナリスト予想に注目するか、前年度の利益がその翌年の業績を見込むのに最適と考える、あるいは過去数年の平均を使うといったところだろう。

そこである疑問が浮かぶ。どれが正解に一番近いかだ。

私は1996年第2四半期から今年の同四半期にかけて、3つのうちどれが現実に発表された営業利益に最も近かったかを検証してみた。すると同期間全体においては、前年度の数字を用いた場合であることが分かった。過去12カ月ベースのEPSは実際のEPSを平均して4%少なめに見積もったが、これに対してアナリスト予想は同13%過大に見積もり、過去7年平均では同17%の過少見積もりだった。ただし、非常に変動の激しかった時期に絞ると、過去7年平均ベースでの予想が最も的確だった。

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最終更新:8月3日(水)15時47分

Bloomberg