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出光創業家が昭和シェル株40万株を取得-合併の阻止狙い対抗策

Bloomberg 8月3日(水)16時44分配信

出光興産創業者の長男で元社長の出光昭介氏は、同社と昭和シェル石油の合併計画を阻止するため昭和シェル株40万株を取得した。創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士と神部健一弁護士が3日に都内で会見し、明らかにした。

出光興産は9月に英オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)から昭シェル株1億2526万1200株を取得することを予定していた。浜田氏によると出光と同一のグループとみなされる昭介氏が40万株を取得したことで、併せて昭シェルの発行済み株式総数の3分の1を超える計1億2566万1200株を取得することになる。3分の1を超えると金融商品取引法上で公開買い付け(TOB)の義務が発生し、RDSと出光興産の二者間での直接譲渡ができなくなる。

両氏によると、昭介氏ら創業家は、出光が買い付けを断念するまでは追加取得も視野に入れているという。出光とRDSが合意した昭シェル株の取得価格は1株当たり1350円。代理人は同日発表した文書で、現在の株価は合意価格を下回っていることから500億円前後の含み損が発生するとし、取得取りやめは出光の財産の「毀損(きそん)防止になる」との考えを示した。1日も早く経営統合を撤回して経営戦略を見直すことが出光にとって最優先事項と指摘した。

昭シェル広報担当の大津麻衣氏はコメントを控えた。出光興産からの回答は得られなかった。発表を受けて、昭和シェル株は一時前日比12%高の1014円まで上昇した。

合併・買収(M&A)関連業務を手掛ける経営共創基盤の塩野誠パートナーは、今回の昭介氏による買い付けが「二社間の株式譲渡契約の取りやめにつながる決定的なものではない」と指摘。出光は契約内容の変更をRDSに求めて、取得株式数を当初の計画から減らすなどすることもできると話した。また、TOBの準備には時間がかかるとした上で、出光が昭和シェルとの統合を本当に望むのであれば「TOBをすればいい」との考えを示した。

出光経営陣が昭シェルとの経営統合の方式を合併からTOBに切り替えた場合の対抗策について、神部氏は「その先までは考えていない」としたうえで、一般論として阻止するために取締役の変更などを要請することなどがあり得ると話した。

Shigeru Sato, Tsuyoshi Inajima, Emi Urabe

最終更新:8月3日(水)16時44分

Bloomberg