ここから本文です

次の注目「中南米FinTech」Paypalやブラックロックが支援

ZUU online 8/4(木) 6:10配信

メキシコ、ブラジル、チリ、コロンビア、ペルーなど中南米FinTechが加熱し始めている。

中でも巨大市場の成長する可能性を秘めたメキシコが再有望視されており、マイクロ融資スタートアップ、KueskiやKonfioなどのファイナンシャルサービスへの大型投資が目立つ。

「銀行へのアクセスが確立されていない」「スマートフォン利用者が急増している」という点で、人口4億2286万を超える中南米が、FinTech発展の理想的な舞台となることは疑う余地がない。

■中流階層が増加傾向にあるメキシコは特に狙い目

米リサーチ会社eマーケターなどのデータでは、中南米のスマホ利用者は4億人。そのうち8割が2020年までには3Gへのアクセスが可能になると予測されている。

銀行口座を所有している成人は5割強。スタートアップを含む企業にとっては、従来の銀行システムに侵食されていない、真っ新な金融システムを構築できる絶好のチャンスだ。
近年急激に注目を集めているメキシコには、すでにデジタル送金サービスの先駆けであるPayPalや、米大手投資会社、ブラックロックといった国際大手企業が乗りだしており、7万5000ドル(約767万円)の資金が提供されるFinTech促進プログラム「Village Capital」の開催するなど、地元のスタートアップ支援に力を入れている。

マイクロ融資も活発化しており、今年4月にはKueskiが3500万ドル(約35億8155万円)の資金調達に成功したほか、翌月にはKonfioが800万ドル(約8億1864万円)を獲得。

ともに設立わずか数年、従業員数も200人以下という小規模な事業だが、従来の銀行融資を受けることができない中小企業に、新たな融資手段を提供している。

中国同様、メキシコでも中流階層が増加傾向にあり、サービス、製造産業が伸びを見せている。新たな投資対象として、FinTechに関心を抱いているメキシコ人投資家も多いようだ。

メキシコでは過去6年間で銀行口座所有者が1割増。現在全体の4割を占めるといわれているが、いまだに750万人の人々が金融システムへのアクセスを求めている。

大手国際銀行がコスト削減に走っている近年、従来型の銀行システムを普及させる余裕はないだろう。こうした現状だからこそ、FinTechの需要が飛躍的に高まると期待できる。

■巨大FinTech市場へ成長するための課題とは

スペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は今年3月に発表した、中南米のFinTech発展に焦点を当てたレポートの中で、「FinTech企業にとって中南米は穴場」と未知の可能性を称賛する一方で、「改革以前に解決すべき問題が山積み」とも指摘している。

ITサービス会社、Zentrifugaの代表取締役、エルキン・ガラヴィト氏は中南米FinTechにとって向上が必要な重要課題として、「情報開示性」「複雑な金融セクターについての知識」「時勢と状況に見合った規制改革」「専門性」などを挙げている。

ガラヴィト氏自身は世界銀行やコロンビア金融監督局(Colombian Financial Superintendency)、在コロンビアスイス大使館などの協力を得て、コロンビアFinTech促進機関「Hackathon Fincluimos Reto Colombia」を結成。コロンビアを含む中南米のFinTechを精力的に盛りあげようとしている。

欧米FinTech企業の中南米進出も目立つ。スペインで2008年に設立された非銀行系モバイルバンキング企業、フィントニック(Fintonic)がその一例だ。

本国で25万人に利用されている大人気アプリを、銀行口座を所有しない中南米の人々の間で浸透させるために、チリにオフィスを開設したほか、メキシコ市場への参入も狙っている。

中南米FinTechを「ソーシャルメディアのようだ」と形容する、豪銀行家兼企業家、ブレット・キング氏は、欧米やアジアとは異なる特殊性を指摘。「勢いがあって、まだまだ成長のチャンスに溢れている」と、中南米FinTech市場が将来的に巨大化する成長潜在能力を確信している。(FinTech online編集部)

最終更新:8/4(木) 6:10

ZUU online