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樋口真嗣監督も登壇した『シン・ゴジラ』PS VRコンテンツの特別体験会&トークショーを開催!

ファミ通.com 8月4日(木)11時57分配信

文・取材:編集部 ばしを、撮影:カメラマン 堀内剛

●ゴジラの世界に入り込めるVRコンテンツをいち早く体験!
 ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(SIEJA)は、2016年7月29日より公開が始まった映画『シン・ゴジラ』とのコラボレーション企画となる“『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR”の特別先行体験会を2016年8月3日、SIEJA本社にて開催した。

 今回の特別先行体験会の開催に先立ち、『シン・ゴジラ』の監督・特技監督を務めた樋口真嗣氏と、東宝の佐藤善宏プロデューサーが登場し、プレミアムトークショーが実施された。

 登壇した樋口監督は、これまでゲーム歴は長いものの、最近は遊ぶ時間が減ってしまったと語りつつ、プレイステーション VRは本当に欲しいと熱望。これまでの予約争奪戦に参加したものの、まだ予約はできていないとのこと。「今日は、もしかしたら大人の力で何とかなるんじゃないかと思ってこのイベントに参加しました」と、会場の笑いを誘っていた。

 プレミアムトークショーは、いくつかのテーマに沿って『シン・ゴジラ』を語ってもらうもの。最初のテーマは“キャスティング”について。しかし、公開からまだ1週間ということで、会場の半数近くが映画を未見ということもあり(それでも半数近くが見ているというのもすごい)、ネタバレになってしまうので、話せる範囲で、トークショーが行われていった。

 樋口監督は、今作に登場する3名の御用学者(さまざまな科学的見地をもとに意見やコメントをもらう、政府が雇っている識者)役に、映画監督を起用。この3人の撮影がいちばんテイク数を重ねたことを暴露。「ふだん撮っている側の人間も、撮られる側に回るとダメですね」と語り、なかには1カットで38テイクを重ねるなど、いきなり撮影時のとんでもエピソードが飛び出す展開に。
 無事に撮影が終わったカットについても、庵野秀明総監督が翌日に突然、引きの絵が欲しいなどといった撮り直しの要望を出すなど、キャスト陣に大変な労力を強いた苦労話も語られた。なかには、画が2センチずれているとの理由での撮り直しもあったそうだが、ほとんどのスタッフは「何が違うんだろう」と思いつつ撮影に臨んでいたこともあるのだとか。

 また、先日明かされたゴジラのモーションキャプチャーに、狂言師の野村萬斎さんが選ばれたいきさつについては、2012年に公開された映画『のぼうの城』(監督:樋口真嗣、主演:野村萬斎)の頃から交流のあった野村萬斎さんの狂言を見て、「これはいけるんじゃないか」と思った樋口監督みずからのオファーによるものとのこと。「今回のゴジラには本物の魔物感が欲しかったが、日本でいちばん魔物に近い役者さんといえば萬斎さん」と、その起用について説明していた。

 続いてのテーマは“撮影現場”について。野村萬斎さんが関わっていたことは、つい先日に明かされたばかりだが、CGとしてのゴジラの動きを担当する役だったため、じつは誰よりも早くクランクインし、誰よりも早くクランクアップをしていたとのこと。モーションキャプチャーに臨むときも、本当は必要がないところ、役に入り込むためにゴジラの面の用意を頼まれ、最終的には尻尾まで用意されたことにも話が及んだ。今回のゴジラは尻尾にも特徴があるので、その重みを表現するために面と尻尾を装着して演技に挑んでもらったとのことで、佐藤プロデューサーは「本当にゴジラが乗り移ったように演じてもらいました」と、その迫真の演技を語っていた。

 3番目のテーマは、“ゴジラのデザイン”について。全長118.5メートルと、歴代最大サイズとなった『シン・ゴジラ』について、佐藤プロデューサーは「東宝としてゴジラのデザインで守るべき掟があるが、それ以外の部分は庵野さんと樋口さんにお任せした」と語り、ふたりから「今回は人が入るというデザインを止めましょう」と提案をもらったことを話してくれた。樋口監督は、初代以降のゴジラのデザインは、怪獣と闘うために進化していったもので、そのためどこか人間的なものになっていたと指摘。今作は、初代ゴジラと同様に闘う相手がいないので、初代をモチーフに造詣が考えられている。
 腕の小ささについてよく指摘されるそうだが、これも初代にならっていることと、そもそも二足歩行の恐竜は腕が小さいもので、これを大きくしてしまうと着ぐるみ感が出てしまい、人間ぽくなってしまうことから、このようなデザインになっているとのこと。今回は、VSシリーズや平成シリーズのような人間的なかわいらしさは忘れて、初代ゴジラを意識して恐怖の象徴に徹した結果のデザインのようだ。


 つぎのテーマは“本作のこだわり”について。本作におけるこだわりのポイントは、とにかく“ホンモノ”感にこだわったことと、ふたりとも口を揃えている。「ゴジラ以外は本物しか出てきません。自衛隊も、すぐに「撃て~」とは言わないんです」と語る樋口監督は、「本物らしく見えるのではなくて、本物ならどうなるかをきちんと調べています」と、そのこだわりぶりについて語っていた。とくに庵野総監督のこだわりぶりはすさまじく、「このシーンは本物が用意できませんでした」と言ったら、そのシーンごとカットしてしまうほどの徹底ぶり。首相官邸の再現についても、スタッフが実際に見学させてもらい、(当然測量や撮影は不可なので)歩測やカバンで大きさを見て、本物に近づけたという苦労話も。官邸の地下にある危機管理センターは見学不可だったので、作りが近いとされる有明にあるオペレーションルームをレンタル。ただし、非常時にはこちらのオペレーションルームも使用されるため、地震や災害発生時は30分で撤収するとの条件付きだったとのこと。30分で撤収できるよう機材の配置を考え、何度も撤収の練習をしてきたが、幸いにも撤収する事態にはいたらなかったと、ふたりとも胸をなで下ろしていた。

 ここで、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア ソフトウェアビジネス部 次長 制作技術責任者 秋山賢成氏がステージに登場。「東宝さんにPS VRを体験してもらった際に、ゴジラを拡張したおもしろい表現ができないか」という話をもらったことが、今回のコラボレーションのきっかけであると語っていた。今回用意されたコンテンツについては、118.5メートルという巨大サイズのゴジラとの距離感や、足音といった臨場感を出すための調整にこだわって制作したとのことで、8月2日(今回のイベントの前日)まで調整を行っていたとのこと。とくにゴジラのモデリングデータは、映画のCGデータそのものを使用させてもらっているため、まさに映画『シン・ゴジラ』そのものが再現されているというわけだ。「映画館だと、ゴジラの大きさを表すためにカメラを振り上げないといけないところ、PS VRでは自分の動きで体感できる。この大きさを体感できるというところがこのVRというメディアかなと思います」と、秋山氏は語っていた。

 イベントの最後には、まだ“『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR”を未体験という樋口監督が来場者を前に初体験するという、公開体験が行われた。発売日の入手を熱望するPS VRを装着すると、来場者には画面が見えない状態でコンテンツがスタート。いきなり「あぁ~」、「おぉ~」、「熱い」などといった声をあげつつ、まわりを見わたす仕草を見せる樋口監督。終始、うめき声をあげながらコンテンツは無事に終了。体験中に言葉がでなかったのは、話すとネタバレになりそうなことを考慮してとのこと。ただ、とにかくすごい体験だと太鼓判を押していた。また、PS VRそのものについても、以前に体験したときよりもヘッドセットの装着感が増していることを指摘。とくに眼鏡をしたままの装着や、調整のしやすさについては絶賛。「いちエンドユーザーとして、これはいいですね」と言いながら、PS VRを持ち帰ろうとする仕草を見せるなど、心底欲しい様を見せつけながら、イベントは終了となった。

 トークショー終了後は、いよいよ“『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR”の特別先行体験会が実施。会場には12台のPS VRが用意され、PS VRのプレミアムメールマガジン登録者の中から選ばれた幸運な参加者たちがこぞって体験を楽しんでいた。筆者も実際に体験させてもらったが、崩壊したビル群の奥から迫り来る巨大なゴジラの迫力たるや、とても言葉では言い表せないほどのすさまじさ。このコンテンツは、自分で何かを操作するといったことはなく、完全に受動的に体験するものとなっているが、そのためか迫り来るゴジラから思わず逃げたくなるほどの臨場感まで感じられた。「こういうのを無理ゲーというんだろうな」と、圧倒的な絶望感にうちひしがれているなかで、コンテンツは終了。佐藤氏が「これで映画を作ったらどうなるのか」と語っていたが、映画好きの筆者としては、体験できる映画の登場に期待が高まるばかり。とにかく、巨大な“何か”を表現するのにVRは最適だということを、あらためて思い知らされた。このサイズ感は、どんなに巨大なスクリーンであっても体験することは難しいだろうが、それをいとも簡単に体験できるPS VR恐るべしといったところである。
 今回、先行体験会が行われた“『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR”は、2016年10月13日のプレイステーション VR発売日より、期間限定で無料配信が行われるとのこと。実際に体験できるまではまだしばらくの時間があるが、その前に、映画 『シン・ゴジラ』を見て、来たる日に備えておこう。

◆映画『シン・ゴジラ』情報
2016年7月29日より公開中
脚本・総監督:庵野秀明(「エヴァンゲリオン」シリーズ)
監督・特技監督:樋口真嗣(『進撃の巨人』『のぼうの城』)
出演:長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ 他 オールスターキャスト
製作・配給:東宝株式会社

最終更新:8月4日(木)11時57分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。