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サトウキビの搾りカスで作るバイオ燃料、日本の技術で50%省エネに

スマートジャパン 8月4日(木)11時10分配信

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、タイ王国科学技術省国家イノベーション庁(NIA)と共同で、バガスと呼ばれるサトウキビ搾汁後の搾りかすからバイオエタノールや高付加価値品の原材料となる有用物質製造システムの実証事業を開始することに合意し、このほど基本協定書(MOU)を締結した。日本が開発した高分子膜技術を用いることで、従来の蒸発技術より50%以上の省エネルギー化を実現する。

 NEDOによると日本の高分子膜技術をタイのバイオマス分野に適用するのは初めての試みという。事業の名称は 「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」。年間のセルロース糖製造能力1400トン、バイオエタノール換算700kl(キロリットル)を有するパイロットプラントで有効性を実証する。委託予定先は東レ、三井製糖、三井物産。この事業により、エネルギー源の多様化や未利用資源の有効利用、省エネルギー化を目指し、タイ全土、さらにはサトウキビの栽培を行っているASEAN諸国への普及を目指す。

 タイ王国の電源構成は主に国内で産出する天然ガスに依存しているが、生産量は間もなくピークに達し、その後減少していくとの予想だ。そのため、今後の経済発展に伴うエネルギー需要の増加に応えるためには、エネルギー源の多様化や省エネルギーの推進が必要とされている。

 こうした背景の下、NEDOは世界有数のサトウキビ産出国の同国で、バガスの利用に着目した。バガスは食用に出来ない農業廃棄物であり、トウモロコシなどの穀物を原料とするバイオエタノールとは異なり、食糧用途と燃料用途の競合が起きないという。また、現在、サトウキビ製糖工場内で大量に排出されるバガスの一部は発電用に燃やされているが、ほとんどは未利用のまま集積していて、容易に利用することができる。

 事業では、サトウキビ製糖工場における余剰バガスを原材料に、1400トン/年のセルロース糖製造能力を持つ準商用規模のパイロットプラントで、日本の優れた高分子膜を利用することにより、従来の糖液の蒸発濃縮法から省エネルギー効果50%向上を目指して同システムの有効性を実証する。このシステムによりバガスからバイオエタノールや高付加価値品の原材料となる有用物質(セルロース糖やオリゴ糖、ポリフェノール)を効率よく製造することが可能で、小規模でも高い経済性が期待できる。今後、事業を通じて、食糧と競合しない余剰バガスの有効利用を実証し、同国におけるバイオエタノール増産や未利用資源の有効利用に貢献することを目指す。

 なお、この事業の成果を用いて、同国で排出される余剰バガスの総量である800万トン/年(2015年実績、乾燥重量)をバイオエタノールに変換した場合、112万kl/年(3070kl/日)の製造が可能となり、同国が掲げる2036年のバイオエタノール消費目標1万1300kL/日の達成に役立つものと考えられる。

 この事業では、2022年9月までに実証試験によるデータの評価・検証を行う予定。事業終了後は、バガスを排出する事業者に対して事業成果を活用した有用物質の製造工場の建設・稼働を指導し、まずは商用規模プラント1号機の完成を目指す。また、タイでのこの事業の共同実施者と協力して、高分子膜利用技術による有用物質製造技術の教育セミナーやPR活動によるフォローアップを行う予定だ。

最終更新:8月4日(木)11時10分

スマートジャパン

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