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0.5mmの高精度でがん細胞にX線を照射可能? 9.3GHz帯で2.0MW出力のマグネトロン

EE Times Japan 8月4日(木)10時35分配信

■広範囲な角度から0.5mmの高精度

 新日本無線は2016年8月4日、医療/非破壊検査分野で使用されるLINAC装置向け高出力マグネトロンを開発したと発表した。LINAC装置とは、直線加速器のことで、放射線治療用のX線や電子線を発生させるときに活用される。

 マグネトロンは、3GHz帯から9GHz帯への移行が進んでいる。高い周波数にすることで、X線の照射精度向上や装置の小型化を図るためだ。同社が今回発表したマグネトロンは、9.3GHz帯で「世界最高水準」となる2.0MWの高出力を実現。これまで提供してきた船舶用や気象用レーダー向けマグネトロンの真空技術を適用し、マイクロ波を効率よく生成できるという。これにより、LINAC装置で、広範囲の角度から0.5mmの高精度で、がん細胞にX線の照射が可能である。

 非破壊検査としては、トラックや列車に載せた貨物に対して、走行しながらX線スキャンによる危険物質検査が可能だ。建築物や橋、貯蔵タンクなどへのX線スキャンも可能であり、劣化やひびなどの検査にも利用できるとした。

 ラインアップは、「M1466シリーズ」と「MM763シリーズ」。M1466シリーズの周波数は3.0GHz帯で、1.5MW、2.8MW、2.8MW(デュアルエナジーモード対応)、3.2MW品をそろえる。MM763シリーズの周波数は9.3GHz帯で、650kW、1.0MW、1.6MW、2.0MW品をそろえた。

 同社の調べでは、LINAC装置向けマグネトロンの市場規模は約20億円である。同製品は、2016年度に1億円、2019年には3億円の売り上げを目指すとした。

 なお、同社は2016年4月1日付で、マグネトロンを扱う「マイクロ波事業部」と衛星通信/地上通信用コンポーネントなど応用製品を扱う「マイクロ波コンポーネント事業部」を統合している。その狙いについては、「両事業部は同じマイクロ波を扱っており、お互いの良い部分を生かした、シナジー効果をこれから生み出したい」と語った。

最終更新:8月4日(木)10時35分

EE Times Japan

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